素の自分=心センサーを磨く
~私らしさは時間を惜しまず大事に癒す~
「素の自分」を発揮できる小さな環境を作る
前回、真の私らしさに気づくためには素の自分と対面し、学びを深める必要がある、といったことを書きましたが「素の自分」とどのように対面すればいいのか?書いていませんでした。
「素の自分」は自分の飾らない感覚といっても構いません。今自分がどう感じているのか?といった感度のことです。分かりやすく「心センサー」と言い換えましょう。「心センサー」の感度を上げるには好き・嫌いが最も分かりやすいのでそこから始めると良いと思っていますが、この「心センサー」は想像する以上にプロテクターやホコリがついてしまっていることがあるので、まずはプロテクターの除去やお掃除が必要です。
でも、「心センサー」はとてもとても繊細なので、いきなり外界に晒すのは勇気が要りますし、時によっては危険なことも。そこで、まずは心センサーの作動練習をする場所を制限しましょう。例えば自分の部屋や、ひとりで行ける大好きなカフェの席、お風呂の中など、人と一緒にいないところが最初は良いです。
やることは簡単。ぼーっとして心センサーが拾うものを分析するのです。
心センサーの疲労をねぎらう
最初のうちは何も感知しないないかもしれません。それどころかぼーっとしているとイライラしてくるかもしれません。「何のためにこんなことしてるの?時間の無駄じゃない?」そんな感覚になるかもしれません。
はい。
実は、これも心センサーの声を拾っている結果なのです。
・何も感知しない
それは心センサーがそれだけ疲れているということ。心センサーが感知したことをあなたが拾ってあげないのと、心センサーは疲労してしまうのです。諦めてしまっているのかもしれません。
もし、あなた自身がやる気がおきなくて、いつも疲れているようでしたら、それは忙しすぎるせいではなく、心センサーの声である可能性があります。
・イライラしてくる
どんなに頑張っても誰一人認めてくれない。一生懸命説明しても、聞いてもくれない。そんな環境、誰だってイライラしてしまうでしょう?頑張るだけ時間の無駄だという感覚になりますよね?
心センサーもイライラするのです。でもそれが心センサーの声とは知らずに、今の自分の外側の環境のせいだと思って、外側を満たすことでイライラを鎮めようとしている人がかなりいます。
どうしたらいいのか?
まずは、心センサーに「お疲れ様。頑張って偉かったね」と優しく言葉をかけてあげましょう。それって自分に「偉かったね!」とか言うってこと?恥ずかしい?ばかみたい?
そんなことないですよ。自分がもっとも最初に優しくしたほうが良い相手は自分です。
ご自分で言えないのでしたら、私が言いましょう。
よく頑張ったね。疲れているに、イライラするのに一所懸命頑張って、大変だったでしょう?でも、もう大丈夫。
「嫌い」も素敵なことなのです
「好き」「嫌い」の感覚を拾っていると、「嫌い」ばかりが感知される。それって私が性格悪くて嫌味な人だから?そんな自己嫌悪に陥ってしまう人もいるようです。
もちろん、そんなことありません!「嫌い」が多い人は心センサーが過剰防衛していることがあり、プロテクターが二重三重になっていることも。
「好き」という感覚は実は「嫌い」という感覚より弱いのです。「嫌い」のほうが「好き」よりも強い理由は生き残るためです。「嫌い」≒「怖い」≒「危険」≒「察知しなかったら死んじゃう」。心センサーはそんな原始の感覚に近いのです。
でも逆を言うと「嫌い」が多い人は心センサーの感度が良いのです。磨けば磨くほど、研ぎ澄まされていく可能性があります。そのためにも、まずは嫌い嫌いプロテクターをはずしましょう。方法簡単です。心センサーにお礼を言いましょう。
私を全力で守ってくれてありがとう。だけど安心して。ここは安全な場所だから、今は守らなくて大丈夫。少し休んでね。
心センサーは、自分が守らなくてはいけないと思っていたあなたが声に気づいてくれた事でプロテクターをはずします。頑張って戦わなくていいんだ!という安心感を与えてあげることが大事です。
同時に「嫌い」と思うことも肯定してあげてください。そうか、それは「嫌い」なんだね。わかった。なるほど、それも「嫌い」なんだね。よくわかるよ。という具合です。このときに何故嫌いなのか?は不要です。あなたが嫌いなのですから、理由なんて要らないのです。
そうすれば次第に「好き」が増えていくことに気づくでしょう。「好き」は尊い感覚なのです。「嫌い」なものより「好き」が多くなってきたら、心センサーの感度が上がってきたということです。それに、「好き」が増えてくると、不思議と今まで「嫌い」だったものが目にも入らなくなってきます。
あなたのための時間を惜しまないで
心センサーがやる気を失くしたり、イライラしていたり、プロテクターで囲まれている場合、心センサーをねぎらったり、認めてあげたり、感謝したり、安心させてもすぐには効果がないことのほうが多いのです。
それは蓄積された年月の重みが今日明日で取り払えるわけではないからです。これを飲んだら一日で10Kg痩せる!これを食べたら病気がすぐに治る!そんな広告が目に入ると悩んでいる人はつい気になってしまいますよね。そんなこと本当はあり得ないって知っているのに、見てしまいますよね。
でもこれは、大事な自分自身のことです。時間をかけても救い出してあげて欲しいのです。美味しい果物や野菜は一日ではできませんよね。種をまく前の土づくりに何年も手間暇かけることだってあります。でも、この手間暇は決して裏切りません。諦めないことが最短のルートです。
「素の自分」が受け入れられる環境を増やす
心センサー=素の自分の声が拾えるようになってきたら、最初は制限していた環境を広げます。信用できる友人のいる場所、仲の良い家族といる場所、もしくはネット上でも良いと思います。
自分の感覚を言葉にできる場所を増やします。最初は「しゃべりすぎちゃったかな」「嫌われちゃったかも」「言わなきゃよかった」と落ち込むこともあるかもしれませんが、周りの人はあなたが思うより寛大です。そんなに簡単に人を嫌いになったりしません。
もし、しゃべりすぎちゃったな、と思ったときには「なんだかテンションが上がってたみたい。ごめんね。」と言ってみましょう。相手がそんなに気にしていないことが分かるはずです。もしくは面白がってくれるかもしれません。
自分の感覚を表現する練習としては、「好き」のほうから始めましょう。「わたし、あなたのこと嫌いだな」などといきなり言われたら誰だってびっくりしますし、「嫌い」を上手に表現するのは高度な技なのです。
「わたし、こっちのお店のほうが好きなんだけどな」とか「この服じゃなくて、こっちの服を着たい」とか「この主人公の性格は素敵だよね」とか「私、字が綺麗なのが自慢なの」などなど。なんでもいいし、簡単なことで良いのです。
ポイントは言い逃げ!
感想は聞かない。言われても聞かなくてOK。
結果、例えば好きなお店に行けなくてもOK。あなたは心センサーの声を拾っただけだから。心センサーの声を言葉にできた自分を褒めてあげてください。それに心センサーは声を拾ってくれた事だけで十分満足するのです。
こんな小さいことの繰り返しで心センサーの感度を上げていくと、もっと大きな大事な場面で、すらっと自分の意見が言えるようになってしまったりするんです。
Sora