【幸運さえも手放すのか?】
むかし
人生の先輩と
神社に行っておみくじを引いた
わたしは
大吉だったので
すごく喜んで
持って帰ろうとした

だけど
その先輩は
大吉こそ結んで帰るべきだと言った
いっときの幸運を忘れられずに
しがみつくのは
大凶より危険だと
むしろ大凶を引いた方が良いくらいだと
しがみついてないもん

と
しぶしぶ大吉のおみくじを
結んで帰ったことを
いまになって思い出す

あの人はすごい人だったな

わたしは何故か人には恵まれて
わたしより100歩前を歩いている人が
側に来てくれた

そして彼らは人生をかけて積み重ねた歴史を
惜しみなく私にくれた
わたしは大したことない人なんだけと
そのおかげで今がある
感謝したい

その多くは
もう言葉が届かないところにいるけど
世界は循環しているから
私の謝意は
別の形で
他の誰かに渡そうと思う
過去において
わたしは幸せだったし
今も幸せだし
これから先も幸せ
だから今の幸せは
今に残して
次に進む

何度でも作り直す
何度でもスタート地点に戻る
怖がらずに
留まると
濁るから
それが一番
嫌
いつかまた会う日に
恥ずかしくないように
生きないといけないな
水上宙 8/8