こんにちは。

空町ふゆこです。

 

ある方のblogを拝見していて思い出したことがありました。

 

 

私は、当時、女性や子どもをサポートする仕事をしていたのですが、

時には何度も同じ間違いを繰り返す方がいらっしゃって、人間のできていない私は内心、「どうしてこんなに・・・」と思ったりすることもありました。

 

そんなお一人を、一時的な預け先にお連れした時でした。

写真  Pixaday

 

そこの方とその女性は数年前も同じように出会ってらしたそうで、その初老の男性は、

 

「久しぶりだね」

 

と、優しい笑みで言葉をかけました。

 

「・・・はい」

 

と、小さな声の彼女。

 

 

「大きくなったね」

 

 

静かな、静かな、でも優しい空気で時間が止まったようです・・・・

 

 

なんだろう、このやり取りは・・・・!

 

そのあと、しばらく二人の間に無言の時間が流れます。

 

この二人の間に流れる、静かで純粋な空気。

私だけが違う世界にいるような。

 

 

思いもしなかった、その光景に私は圧倒されていました。

 

その初老の方が

 

5年間、頑張ったんだね。

 お疲れさまでしたね。

 ここでまたしばらく休憩していってね。

 

「・・・はい」

 

消え入るような、安心したような「はい」でした。

 

 

一人の帰り道。

私はぼーっとしていました。

 

一人の人間の人生に、一瞬しかかかわらない人でもあんな風に、けっして器用ではないその人の人生の、

良いこと悪いこと全て包摂して受け入れることができるんだ、って。

 

人の生き方は様々で、華々しくいきられる人いれば、

不器用でもがいている人もいて、

でもどんな人生でも、悩んで生き抜いているだけで尊くて。

 

でもそんな尊さをついつい忘れがちな自分がいる。

それに気づくと、文字通り「ガーン」て感じで、ショック。

自分の小ささに。

 

自分だって、うまくいかなくて、立ち止まって、うずくまって、

そんな時、助けてもらったりしたのにね。

元気になるとついつい忘れてしまうんだよね。

忘れすぎ(笑)。

 

そんなことを思い出しました。

 

その初老の方が最後にその女性に言った言葉

 

「何度でも失敗していいよ。

 何度でも、ここはあるからね。」

 

安心して失敗していい。

何度でもやり直せるから。

 

そんな言葉を、心から言えるように、私もなりたいな、と

あの頃の気持ちを思い出しました。