chance
全部お前のせいだ。
なんでもっと早く動けないんだ。
そんな声が毎日毎日私を苦しめる。
知らない、そんなの。そんなこと。
私は悪くない。
この人はどうしてこんなに私をいじめるの。
私には関係ない。
そうだ。
関係ない。
もういっそ耳を塞いでしまおう。
聞こえないなら、しょうがないでしょ?
「っ先生!!!」
関係ない、私には、関係ない
「このままじゃっ」
聞こえない
聞こえない
聞こえ、ない
「この国はどうなるんですか!?」
、、、はずなのに
鳴り響くサイレンと止まることのない振動
何度も何度も呼びかける声
破損したスクリーンの前
もう何日も同じ風景は続いていた。
わかっていた。
聞こえていた。
どうしてもっと早く原因を突き止められなかったんだ。
どうしてもっと迅速な対応ができなかったんだ。
どうしてこんなにも自分は、、、
無能なんだ。
それでも逃げずにはいられなかった。私の判断が、国の判断になる。そんなの、耐えられなかった。
聞こえないふりをしてもなにも解決はしない。問題から逃げてもこのサイレンはいつまでも私の耳で鳴り続ける。
わかっているのにできないのは、できないと自分に言い聞かせたほうが救われたから。
逃げる。
そうだ私は、逃げていた。
このままではこの国はなくなる。
人々が死んでいく。
私は
いつまで、できないと嘆いて
他人を犠牲にしていくの
そうやって
生きるの?
そんなの
そんなの…
死ぬことと、同じなんじゃないか。
今思うことは1つだけ。
もしもここで死ぬのなら
後悔ないように死にたい。
もしも生き残れたら
胸を張って歩いていきたい。
初めて
崖っぷちになって初めて
そんなことを思った。
「…第3ゲートからGGB起動開始」
いつだって
こんな時
人は前を向ける力を得るのかもしれない。
end