膨大な量の画像のコピーに時間がかかっている、とのことでなかなか病室を出ることができない。

そんな中母から荷物が届いた。

ほぼ毎週送ってくれていたドリンクや、お菓子、バランス栄養食。

この病院は付き添いも病室のフロアから出ることができず、

洗濯とシャワー以外私はずっと窓も開かない病室にいた。

お金を出せば病院食を付き添いも頼めるため夕飯だけは頼んでいたが、地味に高いので朝と昼は母から届く食料が頼りだった。

売店にさえ行くことは許されず、欲しいものを紙に書いて頼むシステム。

行ったこともない売店に何があるのかもわからず、小さな冷蔵庫には息子用のアクエリアスや、ゼリーなどでほぼ一杯で、保冷が必要なものも買えなかった。

もう、症状の悪化と転院宣言でバタバタの中届いた荷物。

しかも、大量の食料.....

転院する時更に荷物やなぁ、とか冷静に考えながら、急いで開けて中からお守りを取り出した。

巻物になっていて、封を切るときに本人がお願いをするらしいが、

息子はもうそれさえも無理だった。

息子の手に握らせて、

私が開いて、

助けてください。

と何度も何度もお願いした。

13:30を過ぎた頃、

やっと準備が出来た、と連絡があり、

看護師さんに、

戻ってくるまでどうかよろしくお願いします。

と頼んだ。

主治医には、

もし、私が帰ってくるまでに急変したらその時は脳室ドレナージをして下さい。

と頼んだ。

紹介状と画像を受け取った時、

セカンドオピニオンなので、

高額になりますから、お金忘れずに。

と言われて、

これがセカンドオピニオンだと初めて気づいた。

相談に行くわけじゃない、

私はもう転院させて、手術をしてもらう、

そう決めてフロアを出ようとしていたので、

セカンドオピニオン、という言葉に少し驚いた。

13:45

3ヶ月半ぶりに外へ出た。

待っては間に行き方を検索していて、

地下鉄もタクシーもそんなに時間は変わらないようだったので、渋滞のない地下鉄を選んだ。

病院を出て5分も歩いていないのに、

足が前に進まない。

3ヶ月半、ほぼ病室内でしか動いていなかった私の体力はものすごく落ちていた。

せっかく検索したのに乗ろうとした電車には間に合わなかった。

東京なのでそんなに待たずに次が来たがかなりのロス。

タクシーを選ばなかったことを後悔した。

初めての駅で乗り換えをして、J医科大の最寄駅に着いた。

急いで受付に向かう。

15時、受付で、

初めてです。

紹介状と画像持ってきてます。

脳外科のA先生の診察をお願いしたいです。

と、伝えると、

初診の人は午前中で受付が終わっております。

という言葉......

2022.5.6② J医科大へ