ある哲学者はこう定義している。
感性・・・「悟性的な認識の基板を構成する感覚的直感表象を受容する能力。」
カントは現代人が徐々に失いかけているものはまさにこの能力だと考えている。


太陽の日差しが優しい。そう感じるのは、お盆を過ぎたからだろうか。札幌の夏は涼しくて、心地よくて、なんだか甘えたくなる。
朝から決まったことは何もすることがなかったが、平日溜まった洗濯物、洗物をみると綺麗に片付けたくなる。朝から一気にごそごそやって、ついでに掃除をして、お風呂でゆっくりして…なんてしていると気がつくと昼過ぎ。昨晩の付き合い酒が残っているからご飯はいらない。コウは息を吐き、小さく「よし」と呟き行動を開始した。デジタルカメラとiPhoneを茶色いショルダーバックにしまい、右肩にかけながらゆっくり立ち上がる。そして、無造作に置いてある白い大きなヘッドホンを拾い上げ、丁度ショルダーバックの紐の部分にひっかけた。部屋のドアノブに手をかける。

耳をすっぽりヘッドホンで覆いかぶせると視覚だけのちょうどいい閉塞世界になる。
ゆっくり亀のように自転車を漕ぎ、聞こえてくる歌詞をに合わせて、口ずさむ。音楽を聴きながら自転車に乗って風を切っていると自分の世界に閉じこもれる気がする。どこに行くわけでもなく何をする訳でもない。出発点、終着点は自宅だし戻ってくるだけの自転車ぶらり旅だ

【迷】

“迷路だ。。。”

・・・・・・・・・・・・私は心のなかで嘆いた。

・・・・・・・・・・その嘆きは、比喩的な表現ではなく、真実だった。

歩き出す前のこと。

突然ぱっと白くもやっとした世界が広がった。



床に座りこんでる、その体は非常に重たく、全身に倦怠感がまとわりついている。

脳は、起動中なのだろうか、何も教えてくれない。

ただただ、それを支配してるのは、

何か恐ろしい感覚だ。。。鳥肌が立つ。戸惑う。


“えっ、え、え、、。” 


漠然としたその感覚は

戸惑いを生む。


“どこ、どこ、どこ、どこ。。。。”

荒い息使いと、画一的な思考の波は、濃いミルク色に染まった大気に吸い込まれていく。

最初の、ヒステリックな大波は次第に弱々しく、平坦になっていった。

“あつい。。気持ち悪い”

思考が自分まで降りてきた後、私は率直にそう思った。

体は汗でべとべとし、湿気を含んだ生暖かい空気が体にまとわりついている。温度は30℃近くだろうか。とにかく、暑くて蒸し蒸しする。。。

私は呼吸を整え、自分の置かれた状況を把握しようと努めた。

静寂が周囲を包んでいる。

前方は、ひたすらなる、白の世界。目を凝らしてみても1m先も見えないような深い霧が立ちこめていた。

左側へゆっくりと視線を移す。

後方・両側方は、空間を閉ざす灰色でコンクリートの無機質な壁がそびえ立っていた。

唯一開けているのは、上方だけだ。白の向こうには照明があるのだろう、キラキラとした輝きが見える。

どうやら、袋小路のような空間にいるらしい。

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にちようび、げつようび、にちようび、げつようび、、、

end start end start、、、

繰り返される時間を。

ただ過ごす日常を。

溢れ出す言葉を形にしながら、過ごすのもいいではないか。

【円周率】羅列、羅列ずーーーっと羅列。

美しすぎる数字の数々をただただ、書き連ねることも素敵ではないだろうか。




今晩、はじめよう。

背中は溢れ出す言葉が押してくれる。