私がまだ、ある会社にお勤めをしていた頃、
仲の良かった先輩から聞いた話です。

(隣に、おすそ分けを鍋に入れて持っていったら、
洗った鍋が後日帰ってきたんだけど、
中にマッチ箱が1つ入っていて、

小さかった私はお母さんに、
『このマッチ箱、何?』と聞いたらね、

『隣のおばあちゃんが、お礼で何かお返ししたいけど、
こんなものしかありません。
どうぞお納めください。という印だよ。』
と教えてもらったんだよね。

たったマッチ箱1つだけど、
おばあちゃんの感謝の気持ちが

そのマッチ箱1つに表れてたんだなぁ。と
今でもそれを思い出すよ。)と話してくれました。



その話を聞いたのはもう20年近くも前の事ですが、

今だに私の中に深く残っています。



私の母も、
そんなに厳しい方ではなかったけれど、

唯一、口を酸っぱくして言っていたのは、

『近所の人に何かを頂いたときには、
必ずお母さんに言うんだよ。

何か親切にしてもらった時もだよ。

ゆきちゃんが、人によくしてもらったときには
お母さんが、改めてお礼を言いたいから、
必ず言うんだよ。』と言っていました。



そういう本人も、

人に何かをお願いするときには、
まずきちんとご挨拶をして、

していただいた後には、
必ず丁寧にお礼をして。と、

おとなしい人だったけれども、
その辺の事は、
娘ながら感心するほど丁寧な人でした。



なので、なんとなく私もそれを心がけていて、

うっかり者の私で、抜けてしまうところもあるかもしれませんが、なるべく気をつけてその辺りはしっかりとご挨拶をするようにしています。



そんな中、ネットが普及して、
例えばFacebookにしても、
いろいろなシステムが組み込まれていて、
一見便利なようですが、

ややもすると、人の心が置き去りになるような、
使い方を、何の疑問もなくやっている時があると思います。



なんせ、
ボタン1つでいろいろなことができるので、

あえてわざわざ個別に、ご挨拶のメッセージなどを送る必要も無いように感じたりもするのだとは思いますが、

時に、Facebookでも持ち上がっている
メッセージ無しのお友達申請や、
いいねリクエストなど、
送りっぱなしの方がいらっしゃる問題も
ここはひとつ、お互いにそこを気にかけていれば、
無くなるのではないかな?とも思います。



私は、いつも
ネット側のシステムに合わせるのでなく、
私がネットを使いこなしている。

ネットに支配されるのでなく、
主導権を握られるのでなく、

私が素敵だなと思ったり、
勉強させていただきたいなと思う方と、

コミニュケーションをとるためのツールとして
相手の方のことを思いやりながら、
この便利なツールを使おうといつも心がけています。



例えば、人に何かをお願いする際には、
まず、ご挨拶をして、
さらに、力を貸していただいたり、
人様からよくしていただいた時には、

たとえそれが、ネットの世界であろうと、
(ありがとうございます。)
と個別にお返事をしたいと常々心がけています。




こんなことがありました。

年初めに、
たくさんの年賀状をいただきましたが、

その中に1つのかわいい妖精の封筒が
混じっていました。

開けてみると、私のワークショップやセッションに出られた後に、人生が劇的に変わり、
(とても感謝しています)と言う旨のことが書かれていました。


そして、最後にこう付け加えられていました。

(この感謝の気持ちを、とてもメールやLineで
書こうと言う気持ちになりませんでした。

どうしても、手紙でゆきさんにこの気持ちを伝えたいと思い、ペンを取りました。)

ありがたいことにこういう内容のお手紙でした。



私と彼女の間に共通である(妖精)の封筒を選び、
なんと切手は、
天使の柄の切手を貼って下さっていました。


メールやLineでも、もちろん充分に感謝を述べることができ、すぐに相手に気持ちを伝えることができるので、手紙と何ら変わりないような気がする方もいらっしゃるかもしれませんが、


しかし、思うになんせその差は大きく、

お手紙と言うものは、
まず相手を想い、その封筒を選ぶことから始め、
書き損じれば書き直さなければいけないし、

書いてしまったらしまったで、
わざわざポストに出しに行かなければならない。

ひと手間もふた手間もかかるのです。



そして、私のところにそれが届いたときには、
開けるとほのかに彼女の優しいオーラが漂い、

その優しい文字で、
凛とした優しい言葉が綴られていました。

それを目にした私は、
とても心が愛に満ちていくのを感じました。

自然と目からは涙がこぼれ落ちました。


実は、私の大事なスケジュール帳の1番後ろのページに、
それは今も大事に挟まれています。



その手紙を読み、

内容もさることながら、
この方の(情緒)、(感性)、
この(感覚)こそ

人としてあるべき(心)だと感じました。


まさに、人としてある以上、
この(情緒)や(感性)や(感覚)
(心)などをいかに大事にできるか、
感じられるかで人生は大きく変わってくると思います。


私も、いつまでも、この本当の意味での
(心)を大事に生きていきたいと思っています。




そして、
そうです。

いつも、私の心の中には

あの、

先輩から聞いた
(おばあちゃんのマッチ箱)。

いつでもお返し出来るよう

しっかりと準備しておこうと思うのです。


感謝✨



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