江戸川乱歩賞作品は私の大好物、社会派ミステリが豊作だから好き。
なかにはアレ……って思うのもあるけど。
今年の乱歩賞は秀逸と聞き及びまして。
「闇に香る嘘」
読みました。
すごかった!!
目が見えない初老の主人公が、自分の兄は偽物ではないか?と疑い始め、それを調べるうちにどんどん事件に巻き込まれていく……
視覚障害者の、常闇の世界の不自由さ、恐怖が追体験できた。
予測不能な方向からいきなり拳が飛んできたり、吹雪の中で置き去りにされたときの絶望感……そして、犯人らしき人が目の前にいるのに、見えないというもどかしさ。
全盲×ミステリがもつ可能性の広さに閉口。
漫画や映画では絶対に表現できない、小説っていうジャンルがあるからこそ表現できる芸術なのもいい。
あと、中国残留孤児問題について学べた。
親戚が満州に行っていたにもかかわらず、
恥ずかしながら今日にいたるまで全く知識がなかった。
中国では日本人と揶揄され、日本では中国人といわれ社会的な居場所がない。
アイデンティティを否定されることほど辛いことってなかなかないと思う。
推理小説としても、圧巻だった。
それはまるで、通販番組で掃除機を宣伝するために使う発泡スチロールの玉のごとく伏線がばらまかれるのに(主人公が全盲のせいで余計、誤解させるような描写も多い)、ラスト1/5くらいからダイソン並みの吸引力でそれを一気に、一粒残らず回収していく。
下村さん、お見事……。次回作にも期待大( ^ω^ )