林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜 -22ページ目

林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

本棚から本を手にするように
自由に読んで下さい。

よかったら
コメント欄に感想書いてくれると
すごく嬉しいです。

 

 

 

 

 

ズズ

ズズと

衣ずれの音がした

 

振り返っても誰もいない

 

私は

足を早めた

 

 

 

目の前は

真っ白で

雪が

嵐のように降り続いていた

 

 

行手を阻むように

雪は

とめどなく降りしきり

 

手は

凍えそうなほど

冷え切っていた

 

 

 

 

ズズ

また音がした

 

いや

音は

気配は

気のせいではなく

 

いつのまにか

目の前に

髪の長い着物を着た女が

下を向いて

立っていた

 

 

 

 

 

 

こんにちは

作家の林瀬那です

 

 

 

 

 

 

夜道を

ひとりで歩いていると

後ろから

誰かついてきている気配がする

 

 

 

 

そんな冒頭が

突如

降ってきたのは

昨年の冬で

 

 

 

そのまま

突如

なぜだか私は

「雪女」

を題材に作品を書きたくなって

 

今もなお

書いている作品があります

 

 

 

 

 

「雪女」

 

もともとは

小泉八雲が書いた怪談なのですが

 

 

 

 

 

子供の頃から

小泉八雲が気になってまして

 

 

それならば

小泉八雲の「雪女」の文献も

参考にしつつ

書いてみようと思ったんです

 

 

 

 

短絡的に

聞こえるかもしれませんが

 

「小泉八雲を題材に

書くということ」

 

そこには

深い理由があるので

 

今回は

そのことについて

お話ししたいなと思います

 

 

 

 

 

 

 

ミステリーやサスペンス

都市伝説や怪談といった類いが

大好きでして

 

毎日のように

接するので

ほぼひと通り網羅しましたが

 

 

ありとあらゆるものの中で

私はやはり

幼い頃に知った

 

「耳なし芳一」

の話しが

 

今でも

恐ろしくて仕方がないです

 

 

 

そうなんです

幼い頃から私は

いまだに

 

「耳なし芳一」に

恐れているんです

 

 

 

 

 

「耳なし芳一」

というのは

説明するまでもなく

小泉八雲が書いた怪談です

 

 

 

 

小泉八雲は

実際にあった話しを題材に書いており

 

耳なし芳一を祀っている

赤間神宮は

私の郷里の山口県にあります

 

 

 

源平合戦の後

平家物語を

琵琶で表現していた

耳なし芳一

 

そんな耳なし芳一を祀った像が

赤間神宮の裏手に

ひっそりとあります

 

 

 

 

じめっとした

少し薄暗い

 

なんとも形容し難い

陰の場所に

その像はあるのですが

 

とにかく

場所の雰囲気と

その佇まいぶりが

もう

本当に怖い

 

 

 

 

子供の頃に見た

その像と

その場所が

 

もう

怖くて

こわくて

恐ろしくて

 

 

 

 

小学生の頃に

見た時の

衝撃が忘れられなくて

 

目を閉じると

耳なし芳一の残像が

ありありと目の裏に浮かんできて

 

初めて見た日の夜は

眠れませんでした

 

 

トラウマレベルで

怖いんです

 

 

 

ネットで画像など

検索しないことをおすすめ致します

 

 

 

 

志しなかばで

闘いに敗れた

平家の落武者達の

甲冑姿が周りにいるようで

 

盲目で

耳を斬られた芳一の

無念さと不条理さが

伝わってくるようで

 

 

本当に怖いんです

 

 

 

しつこいけど

本当に

本当に怖いんです

 

 

 

 

 

耳なし芳一の

話しって

物語の終わり方が

悲しい感じでして

 

 

子供ながらに

希望もなく

明るさもなく

 

絶望しかなくて

 

この話が

嫌で嫌で

仕方なかった

 

 

 

 

嫌なものは

目につくもので

 

特に

山口県を題材に書かれたその怪談は

私の周りでは

いろいろと

目にすることが多かったんです

 

 

 

大人達は

そんな絶望しかない話しを

 

いとも簡単に

いい話しだからと

話すんです

笑顔で淡々と

 

 

 

 

それは

幼心の恐怖心を

余計に助長してしまい

 

 

もう

嫌で仕方なかった

 

 

 

 

 

 

だからこそ

大人になった今

 

今回

改めて

小泉八雲の耳なし芳一を

読んでみました

 

 

 

とても

短いお話しなので

すぐに読めます

 

 

 

 

でね

そこで

気づいたんです

 

 

 

 

やっぱり

 

 

「物語の終わりは

幸せでいたい」

って

 

 

 

だから

私はね

 

 

林瀬那が描く

物語の世界だけは

「悲しいまま終わりたくない」んだと

 

 

私が

嫌だったから

そうしたいんだと

 

 

改めて

気づいたんです

 

 

 

 

 

 

 

 

原点は

耳なし芳一にあり

 

 

 

 

 

ハッピーエンドでなくてもいいんです

ほんの少しの光があれば

 

 

ひとかけらでいいんです

一縷の望みがあれば

 

 

希望は

わずかでもいいから

 

わずかな

残り香ぐらいでもいいから

 

かすかにはあるようにしよう

そう思ってます

 

 

 

 

 

そして

それに気づかせてくれた

小泉八雲

 

 

たくさんの作品を

世に残してくれ

 

どんな感情にしろ

耳なし芳一の作品を通して

私の心を揺さぶる

小泉八雲

 

 

そんな

小泉八雲さんには

愛と感謝しかありません

 

 

 

 

というわけで

リスペクトの意味も込めて

「雪女」について

書こうと思っております

 

改めて

「雪女」に関して

いろんな書物で調べたりしてます

 

民俗学を専攻していたこともあるので

なかなか興味深いです

 

 

 

 

 

 

さて

今回は

「小泉八雲を題材に

書くということ」

についてのお話しでした

 

 

 

 

あなたの怖いものは

何ですか?

 

あるなら

教えてほしいです

 

 

 

私にとっての

「耳なし芳一」を

知りたいです

 

 

 

最後まで読んでくれて

ありがとうございました

 

 

あなたの大切な

人生の時間を

共有できていること

心から感謝しています

 

では

またね