チョココロネより愛を込めて~最終章~ | 林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

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作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

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自由に読んで下さい。

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すごく嬉しいです。

 

~最後の手紙~

 

 

お手紙ありがとう!

本当、
手紙のやりとり
できたらいいのにな
とは思ってたけど、
そんな夢みたいなこと
はなから
無理だと決めつけてたから
挑戦すらしてなくて、

周りに
無理だって言われても、
笑われても、
結局
どうだっていいことなんだな。
なんて
改めて思いました。

だって
こうして現に
手紙のやりとり
できちゃってるもんね。

あさってだした手紙は、
昨日届くんですもんね。
想像以上の早さで
びっくりですもん。


それから
あなたのその考え
とても好きです、
私も
そう思います。

あなたは
満天の煌びやかな星空や
美しく輝く宇宙の眺めを、
日常だと
言ってましたよね。

私は
羨ましいと
あの時あなたに言ったけど、
あなたにとっては
とるにたらない日常で。

あなたは
コンビニのレジ近くのお団子が
羨ましいと言ってたけど、
私にとっては
とるにたらない日常で。

確かに、
誰かが叶えたい夢で
世界は構築されているのかもしれませんね。

広い宇宙
いろいろな想いが
混在してて、
本当に
おもしろいです。
 
そして、
こんな話しができる友達がいて
本当に幸せです。


そうだ、
お手紙の中の
ご質問にあった
ロケットの形は、
私の大好きな
パンのチョココロネの
形に
似ています。

前に
大量に一緒に食べたから、
いやでも
覚えてるでしょう?

初代ロケットの形状は
美しくて、

大好きなんだけど、
なんか
せっかくなので
今回は
チョココロネの曲線美を
取り入れてみました。

チョココロネの
チョコの部分が、
ロケットの
室内になります。


広いでしょ?

新しいロケットの窓からみる
宇宙の風景は
どんな感じなんでしょうね。

あとね、
ちゃんとうまくいけば
前よりも
かなり
移動時間も短縮されるらしいです。

もともと
そちらでは
時間なんてあってないようなものだけど、
こっちに戻ってきた時に
困らないように、
研究チームの皆さんが
なんだか
ものすごく白熱して
作ってました。

ロケットの
いろいろな要素や
使用方法を
分厚い資料をもとに
説明を受けたんだけど、
話しが難解すぎて
長すぎて、
私が
あくびしながら
コーヒー13杯目のおかわりを
飲みほした時点で
話すのやめてくれました。

時間と空間のゆがみの中を
すりぬけられる。
って言葉だけは
覚えてます。

とにかく
端的にいうと、
最先端の技術を取り入れ
前よりも
かなり
パワーアップしているそうです。

これを元に
研究チームの皆さんは
研究論文を書くらしいです。

たまに失敗して
落ち込むこともあり、
もちろん
うまくいくことばかりではないですが、
とにかく
全てひっくるめて
順調です。

私は
単に、
いつもみたいに
真夜中に地球をこっそり抜け出して
月に行って、

あなたと
ゆっくり
お団子を食べながら
とりとめのない話をしたい。
それだけです。

いつもの
あの場所から
地球を眺めながら。

ね。

次回のロケット発射テスト、
晴れるように
祈ってて下さい。

テストは
きっと
成功するので、
そちらに行けるようになるのも
もうすぐです。

富士山の頂上でやるので
もしかしたら
そちらからも
みえたりしないかなー。

次の満月は
今年最後のスーパームーン
です。

こちらでは
最近は
スーパームーンの話しで
もちきりです。

おそらくね、
地球上の人で
月を嫌いな人なんて
いないです。

前にも話しましたが、
地球はね
沢山の国に分かれていて
それぞれ言葉も違うんですが
きっと
みんな
月のこと
好きなはずです。

絶対
そうなはず。

月は
いつも
見上げると
そばにいてくれて、

神秘的で
綺麗で
美しく光り輝いていていて
愛そのもの。

素敵な場所ですね、
あなたのいるところ
ですものね。

テストが成功したら
手紙のやりとりは
この手紙が
最後になるんじゃないのかなぁ。
と最近思ってました。

なんだか
少し
さみしい気もします。
手紙は
手紙で、
楽しかったから。

ま、
逢えるようになっても
また
手紙も出せばいいですもんね。

早く月に
行きたいです。

ただ
それだけです。

では、
またね。

次回は
月でお逢いしましょう。

 

 

~終わり~