満月の夜に 〜②〜 | 林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

林瀬那 文庫 〜あなたへの物語の世界〜

作家の林瀬那です。

私が
描いた物語を載せてます。

本棚から本を手にするように
自由に読んで下さい。

よかったら
コメント欄に感想書いてくれると
すごく嬉しいです。

「すいません。

 

それから

私なんて

大したことないですよ

 

周りが

勝手にいいように解釈してくれて

さもすごいように

言ってるだけです。」

 

土星さんは

すごく謙虚で

というか

おとなしくて

弱々しくて

 

なんか

私が知ってるどっしりとした

土星のイメージとは

かけはなれていました。

 

以前

私のロケット試運転で

銀河系を

ぐるっと一周し

 

その際に

土星の輪っかで

少し休ませてもらった時に

お話ししただけでしたが

 

わりと強気で

ハキハキしてるタイプだったので

弱々しくて

正直驚きました。

 

 

「まあまあ

いいじゃない。

 

せっかく遠くから

お越し下さったんだし

ゆっくりしてってもらえば?」

みかねた姉が

優しく

私を促しました。

 

私は

頷き

土星さんに話しかけました。

 

「とにかく

このままでは

たこ焼きと一緒に食べてしまいますから

 

このホットプレートからは

出しますよ。

 

少し冷えるかもしれませんが

よろしいですね?」

 

「あ

できれば

もうしばらく

このままでお願いします。

 

やっと中まで

あたたまりそうなんで。」

 

「わかりました。

 

だだ

時々ひっくり返さないと

片方だけ焦げてしまいますから

 

突然

容赦なくひっくり返しますが

びっくりしないで下さいね。」

 

 

月に続いて

土星まで

弱っている

 

宇宙全体は

一体どうなってるんだ。

 

宇宙は

無限で

不滅で

一定で変わらず

パワフルなんじゃないのか。

 

と思いつつ

私は

他のたこ焼きの中に

他の惑星が紛れ込んでないか

目視しました。

 

姉も

どうやら

同じことを考えていたらしく

注意深く全体をみていました。

 

---満月の夜に ~③最終章~へ続く---