三国 夜噺・諸葛の掟~夢の後先4-2/大勝 しても雪…やまず
三国 夜噺・諸葛の掟~夢の後先 左慈(さじ)語り編
第四部:沈む陽に射(さ)す涙雨 -南征北伐-
第二回
ひと昔前の 憂いは 現実となるのか
百年の前に戻るなどということを
百年後の民たちは思いついたのか
私以外に―
ただ 時 に住まう 私より他に
進むようで 進まない
戻るようで 戻らない…
決して ― 戻 ら な い
この数年など 数秒のようだ
いや ようやく覚悟を強いた
そうだとしても…
どんな衝撃も衝動も感じなかった
どんな怒りも悲しみも通り過ぎた
もちろん…喜びも
代替わりに つけ込んだ 王朗らに
孔明は『正議』を記し叩きつけた
ああ そうとも!正義の名の下に
二代の劉禅と 法の『蜀科』を戴き
三國の均衡を回復し保ち続けながら
法の下の治政を推し進めていたのだ
だが それは…
圧倒的な武力の差の前に抗えるか―
だが しかし…
諸葛の弟 均が二人きり 饒舌に語り
はじめて 腹の内を明かした この時―
「…兄上様 嘆かれますな
馬謖ごとき この程度の男です
この程度の 働きだったということですよ
兄の馬良は白眉と称された切れ者で兄上様を慕っていました
なぜ玄徳殿に伴われ命を落としたか…合点はまいりませんが
―玄徳殿ではいけませんか?礼を欠いた覚えはないですよ?
本来兄上様こそが帝位につくべきお方ではありませんか
…いいではありませんか 馬謖のひとりやふたり
優秀過ぎる兄を持った者同士―とでも幼常は考えたらしい
私の所に相談に来たものです…おそらくは
出来過ぎた兄以上に丞相 兄上様のご期待にお応えしたくて
ですから常に励まし こうも申しました…南征の前でしたか
『心を攻めるが 上策』 兄上様が好まれそうな言い回しかと?
私とて期待はしておりましたが 空回りに終わったようです
―劉封を除いた時は非情になられたではありませんか?
夫君を奪われた姉上の仇ということもありましたしね
あれは孟達が手を下しましたが劉封の指揮下だった
孟達とて張譲に賄賂をやって地位を得た孟佗(もうだ)の血筋
曹賊と一丘の狢(むじな)なのですよ…子楊殿も批判的でした
曹丕には気に入られましたが追い詰められ挙句あのざま…
司馬 懿(しば い)は病と偽って―耄碌を装って
隠遁しながら あの機転…衰えてなどおりません
…孟達のこと その前からのことも計算されておいででしたよね?
劉封と孟達を合流させ もめさせて それで劉封を排除できた
…ついでに李厳もとい李平まで一緒だったんですからね ええ
なんなら…彼らが髭殿の救援に向かわなかったのも計算通り…?
―いえ言ってみただけですよ そんなお顔なさらないで下さい
ですが…長年の間 裏方をお任せ頂きながら
肝心のことは言って下さらない時があるように感じるのは…
穿ち過ぎでしょうか?
玄徳殿は馬謖の無能を見抜いていたそうで…ええ知ってます
そうだとしてもお気になさることはない―たまたまですよ
あちらが取り立てていた魏延も勢いだけの輩だ
見るからに裏切者の相なんですよ?
李平…正方殿にしてもそうです ― 孝起殿は呉に向かう前
ええ孝起殿には南征前に密命を帯び行かせましたでしょう?
孫権が皇帝を名乗った時も…子瑜兄上へと手紙まで託されて
ええ存じてますよ
正方殿と同郷のその孝起殿も申されたではないですか
正方殿には棘がある と…
警戒を続けねばなりません
そんなに驚かないで下さい
私はお力になれたでしょう?
身の程を知らぬ あの孫権も孫権でしたが
こちらも漢を継ぐ國を建てることはできた
ですが あの驕り高ぶりは手に負えなかった…
あの義兄弟ですよ―確かに腕力はありました
ですから役に立ったのはまあ あの時点まで
…玄徳殿も どこまで信用してよかったものか
兄上様と離れて士元殿 それにあの法―孝直と
いやでもあのままではどうなっていたかと―
私?私が?何もしたっていうんです?
そりゃ敵対勢力の台頭は封じたかった
ですが―私は何も…
何もしてない―してませんよ 考直殿には!
…考直殿は…危険だと思いました 思ったところで
急な流行り病だったんですから
士元殿が亡くなったのは流れ矢だ―不慮の事故です
あの張松だって…地図を提供してはくれましたが
扱いにくい男なのは兄上様だっておわかりのはず
でも だからって―私は別に…
奴の兄が告げ口をしたせいなんでしょう?
兄として弟を心配していたようでしたがね
まあ法正や孟達の一味のようなものですよ
…そんなことより
畏れ多くも皇帝陛下が 最後に側近の者と おわした その
相手は郗慮(ちりょ)で 御身の上をお嘆きあそばされたと
ご存じでしたよね?郗慮は華歆(かきん)を招き入れたのに
あまりにも おいたわしい
ですが今や御心は穏やか…
私はいつも思うのですよ
兄上様が陛下の如く おわせば
どれほどに凛々しいお姿かと
件の情報は私が止めました
元直殿も伝えてはこなかった
お命がご無事ということ以外は
吉本(きつほん)が起こした乱の その時まで―
兄上様ほどのお方が気づかれなかったのでしょうか?
お気づきになりたくなかったということでしょうか…
私が…全てをお引き受けしていたということも
私は―
義姉(あね)上を嫌いでは なかったんですよ?
むしろ好きでしたとも …ええ
兄上様をお支えする上で一番わかり合えました
何より跡取りを遺して下さった 何より有難い
早く養子に参った喬(きょう)は…弟のようなもの
おわかりと思いますが?
何も…役目を終えたように去ることはなかった
呉の兄上ほども 心根のよろしい子でしたから
私の役目を引き継ぐには荷が重かったでしょう
子瑜兄さんは玄徳殿に直接のお手紙で
最期となった出兵を止められたほどだ
本当に戦がお嫌いですよね… あれは
周りの誰もが止めましたけどね
頑固なところは兄上様も負けてはおられません
南征を押し留めていた王連が亡くなったとたん―
塩の専売は大した収入源でしたし
あの者の反対理由は一理あります
兄上様は前線に立たれるべきではない
北伐にまで…お体が もたないのではと
でも
私ごときが申し上げたところで…
ですから ええ もう いいのです―
草蘆を離れて20年… 赤壁を経て10年
私にわからないことはいまや何もない
ご心配は要りません
兄上様の ご出自も 私の役目も
歴史に残すことは ありません
…『正議』 誠お見事でございました
また『出師表(すいしのひょう)』これも
涙なくして読まれることはないでしょう…
諸葛の者は どこの國にも どの地にも おります故
皇帝陛下と同じ兄上様のお志は 決して滅びません
神々しいご足跡の数々しかと守り抜いてみせます
御身の栄光は 永遠に地に堕ちず 輝くでしょう
そうですとも 世界が終わる…遠い その日まで」
均は思い至らなかったが 均が亮を崇めるよりも前
均が生まれたその日から 亮は弟を見て知っていた
弟がうまく取り繕おうと 嘘を吐く時の仕草表情を…
のちの軍議の場で諸葛亮は こらえきれずに泣いた
公の席にも関わらず…
臥竜鳳雛と並び称された龐統と共に 得意げだった
徐庶が昔知っていた …あの頃の面影は もう なかった
孔明は 元直から 兄帝の生命の無事の外
伝わらなかった…伝えられなかった 真意
真の想いを 心の奥底から 理解した
荊州の春
― 戦乱を逃れ 青春と自由を謳歌した地に
大志を果たし 戻る日を夢見て 語り合った
徐庶も龐統もいて均は…皆の小さな弟だった
『元直には 言えない』
<三国 夜噺・諸葛の掟~夢の後先 左慈(さじ)語り編
第四部:沈む陽に射(さ)す涙雨 -南征北伐- 第二回・終>
*このstoryはファンタジーです
補足( ..)φついついメモメモ※後日追記予定?
『正議』魏の降伏勧告への反論
蜀二代皇帝劉禅/劉公嗣・蜀の法律『蜀科』・初代劉備/劉玄徳
馬謖/馬幼常/「泣いて馬謖を斬る」・兄は馬良/馬季常
劉封//劉備の養子だが,のちに実子・劉禅が生まれた
孟達/孟子敬→子度/父・孟佗(もうだ)は宦官の張譲に賄賂を渡し地位を得た
cf.諸葛亮の姉の夫は蒯祺(かいき)…とも伝わっている
一丘の狢(むじな)≒一つ穴のムジナcf.『漢書』楊惲(よううん)伝より
前漢の楊惲/楊子幼は『史記』司馬遷の甥で『史記』を世に広めた
劉曄(りゅうよう)/劉子楊
司馬 懿(しば い)/司馬仲達
髭殿/諸葛亮が関羽をこう呼んだ(手紙の呼びかけに書いた)
李厳→李平に改名/李正方
陳震/陳孝起
諸葛瑾/諸葛子瑜
龐統/龐士元/鳳雛/諸葛亮と共に臥竜鳳雛と並び称されたby水鏡先生(司馬徽/司馬徳操)
法正/法孝直
張松/兄の張粛が劉璋に訴えた/法正,孟達も劉璋より劉備を選んだ家臣だった
郗 慮/郗 鴻豫/儒学者・鄭玄に師事/玄孫の郗 鑒(かん)はのちの東晋を支えた
cf.荀彧,鐘繇(書家/鍾会の父),孔融(孔子二十世),劉劭/郗鑒の娘は書聖王義之妻
徐庶/徐元直
諸葛膽(せん)/諸葛思遠/諸葛亮の子
諸葛喬/諸葛仲慎→伯松/亮の養子だが,のちに実子・膽が生まれた
王連/王文儀/塩や鉄の専売
★五丈原を前にして既に筆者おじけづいたか、
前回より回数減の圧縮版(?)でのお届けです m(_ _)m
その割には( ..)φメモメモがついつい増した??
…孔明の前に孔明なし・孔明の後に孔明なし!?
何故天は周瑜-イヤ-死して仲達を走-イヤイヤ-
PCの不具合と筆者の事情で連載完結へ猪突いえ馬脚{ダメじゃん(^^;}
これまで以上に一心不乱…とはいえ乱れ通しですが頑張りたいです!
☆彡与党 自民 大量議席 ⇔ 野党 中道 壊滅状態※焼野原…の表現は駄目ですよね
※民に吹きすさぶ雪は変わらないけど どうなるかきっと期待と不安な訳だけど
「ママ戦争とめてくるわ ついてきて」能動的且つ『ついてきて』ですね m(_ _)m
Nスぺも 戦場の実態"ロシア化"や クレムリンに抗う声=若き"政治犯"?たち…
以前、分断の大国での互いに対話を試みる特集番組も見ました それが一番大事
やむを得ず公開/連載の休止・中止は、すみません。
IDIC,LLAP, Peace & LOVE sono×2
-『九条にノーベル平和賞を』
『長期拘留等の人権問題』
『原発諸般の事情・問題』
『リニア事故・陥没 大深度法』
『コロナ・ウクライナ・ガザ&ベネズエラ 侵攻侵害とその後の世界』-
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