その夜…
事務所のみんなと関係者が集まり 高級寿司店で祝賀会をひらくことになった。

「みんなありがとう。兄貴はやったぞ!!」
メンバーは口々に“おめでとう”と言うと強く抱きしめあった。

2PMがノミネートされた音楽大賞は惜しくも逃したけれど、その悔しさよりもジュンケイさんの受賞を何よりもよろこんでいる。
「ソニルもおいで…」
ジュンケイさんは私をギュッと抱きしめた。

その後も祝賀会は続き…
飲みすぎた私は外の風にあたる。
ふわっと、ジュンケイさんが上着をかけてくれた。“風邪引くぞ”って…

「お疲れ様でした。」
「あぁ」
そう言ってジュンケイさんはチラッと私の左手の指輪を見ている。

「ずっと、その指輪が気になって…ソニルって恋人がいるのか?」
「あ…違います、違いますよ。オシャレのつもりで…彼氏なんていませんよ。

「じゃあ、ソニルに質問。どんな男がタイプなんだ?」
「そうですね~」

“優しくて、面白くて、頼りになって、音楽がとにかく好きで一緒にいて楽しい人です。”
(あ、それって、ジュンケイさんのことだ…)

「ん!?はそれって俺のこと? ソニルのタイプは俺?ニックンやチャンソンじゃなくて?」

「まぁ、みんなソニルのこと気に入ってるからなぁ~。」
「え…そうなんですか?」
「気がついてないのか?ちょっかい出してるだろ?」
「それはからかわれているだけだと…」

ジュンケイさんが口角を上げて私をのぞきこんで
“鈍感”
至近距離で見るジュンケイさんの笑顔は優しくてトクトクと胸が音をたてる。
ジュンケイさんの手が顎にかかり…私は目をとじ…

「兄貴、ソニル~。これ、見て~」
ジュノさんが登場する。
その後ろにニックンさんが立っていて
「ジュノ。二人のジャマしちゃダメだよ。」

ニヤニヤしているテギョンさんが
「なんか♪いいムードだったのになぁ~」

「そ、そんなことないですから…話をしていただけです。」
私は思わず否定してしまう。
それを聞いてジュンケイさんは唇をとがらせた。
「ただ、話をしていただけ…」

その姿を見たウヨンさんが
「あ、兄さんがへこんだ。」

「まったく、ソニルはつれないなぁ~。で、なんだジュノ?」

ジュノさんはスマホに掲載されている今日の受賞式の記事を見せた。

作曲賞を受賞した2PMのJUN.Kは高い評価を得た。
彼は素晴らしい作曲センスを持ったアーチストである。
これからも、彼のほとばしる才能に期待したい。

「ジュンケイさんはすごいって書いてありますね。」
記事と一緒にステージに上がった時の写真があって 思わず釘付けになった。
「ジュンケイさんカッコいい…」
ふと、呟くと…

後ろからコツンと頭を小突かれた。
真面目な顔でテギョンさんが
「ソニル。それはマネージャーとして?それとも女性として?」

ジュンケイさんは目をキラキラ~
「俺も聞きたいな。どうなんだ?」
「そ、それはマネージャーとしてで…」
その場をしのごうとするものの…