今日は曲の締切日…
私達は映画制作会社の会議室に集まっていた。
ただ、ジュンケイさんがまだ来ていない。
「ソニル。兄貴はまだ曲作ってるの?」心配そうなウヨンさん。
(ジュンケイさん、間に合うよね。)
映画プロデューサーの川本さん、西園寺監督が会議室にやって来た。
西園寺監督は表情をかえずドカリと椅子に座る。
私の隣にいたジュノさんが袖口を引っ張って…
「兄貴…大丈夫かなぁ~」
「大丈夫ですよ。ジュンケイさんですから…」
「さて、曲を聞かせてもらいましょうか…」
西園寺監督が私達を見て
「まさか、まだできてないのかね。」
空気が悪くなる寸前にやっと、ジュンケイさんが入ってきた。
「お待たせしました。お願いします。」
出来上がったばかりのCDを流すことに…
私もメンバーもずっと緊張していたけど、ホッと力がぬける。
イントロが流れ始めた瞬間、私達はジュンケイさんを一斉に見つめる。
言葉が出ない中、テギョンさんが
「な、なんだよこれは?」
それはジュンケイさんらしい曲だった。
(一瞬のうちに引き込まれる。)
曲が終わると拍手が起きた。
表情の固い西園寺監督は“フゥ~”と息を吐き ジュンケイさんの元に近寄って…
「君がジュンケイ君かね?」
「はい。」
「正直言うとアイドルってところから期待はしていなかったんだが…間違いだったようだ。」
笑顔の西園寺監督がジュンケイさんの両肩をグッとつかんだ。
「映画のコンセプトにぴったりだよ。君は若いのに素晴らしい才能を持っているなぁ。」
そして、ジュンケイさんと西園寺監督は固い握手をする。
「ジュンケイさん、映画の主題歌に決定しましたよ。おめでとうございます。」
私が声をかけてもまだ、実感がわいてこないらしく 少しボーっとしているジュンケイさん。
「ジュンケイさんの曲、すっごくステキでしたよ。」
「ソニル…」
急に私をぎゅっと抱きしめてきた。
「ソニル、俺の曲がどうなるのかもう一度、言って…」
「ジュンケイさんの曲が映画の主題歌に決定しましたよ。」
今度は私を抱きしめたままクルクルと回り始める。
(目が、目がまわる~)
「やった、やったぞソニル。」
「はい、おめでとうございます。」
ジュンケイさんの少し涙目の笑顔に胸がいっぱいになった。
また、ふたたび私をクルクル回しながら…(目が回る~。)
「これもソニルのおかげだ。ありがとう。ソニルはやっぱり、“MUSE”だな」
すると、ジュノさんが私をジュンケイさんから引き離して
「“MUSE”なら僕が欲しい。」
私の手を握っていたジュノさんの手をテギョンさんが払いのけて
「それなら、俺がもらう。」
私の肩をつかんだテギョンさんの手を払ってウヨンさんが
「俺にちょうだいよ。俺もソニルが欲しい。」
私の手首を握っていたウヨンさんから自分の方へ取り戻すジュンケイさん。
「こら!ソニルは俺の“MUSE”だ横取りするなよ。」
(ひぇ~。やめて~。)
四人の取り合いにまみれていると…
優しくニックンさんが救出してくれる。
「ソニルさん、こっち♪」
「こらこら、ソニルさんが困ってるでしょ」とニックンさん
「兄さん達、変な取り合いしてたらソニルさんがかわいそうだよ。」とマンネのチャンソンさん
そんな二人を見てテギョンさんが
「そんなこと言っても“MUSE”は欲しいだろ?」
チャンソンさんはちょっと赤くなりながら「それは、まぁ…」
私はニックンさんに“MUSE”の意味を尋ねる。
「“MUSE”はね。芸術家やアーチストにインスピレーションを与える女神のこと。
創作意欲を刺激する女性のことだよね。」
「ソニルさんは兄貴の救いの女神ってこと」チャンソンさんに言われて赤くなる私。
「でも、ソニルは兄貴のものじゃないし、だから、俺達全員の“MUSE”にする。」
ジュノさんにそんなこと言われて…
(なんだか、嬉しいような~、恥ずかしいような~)
みんなと寮に帰って来るなり私のスマホが鳴り響く…
相手は律子さんだ…
部屋に向かうジュンケイさんを呼び止めた。
「ジュンケイさん…律子さんからです。」
あわてた様子で私に向かってくる。
私は律子さんからの電話にでると…
涙声の律子さんが…
「ソニルさん、岡崎が…岡崎が…」
私達は映画制作会社の会議室に集まっていた。
ただ、ジュンケイさんがまだ来ていない。
「ソニル。兄貴はまだ曲作ってるの?」心配そうなウヨンさん。
(ジュンケイさん、間に合うよね。)
映画プロデューサーの川本さん、西園寺監督が会議室にやって来た。
西園寺監督は表情をかえずドカリと椅子に座る。
私の隣にいたジュノさんが袖口を引っ張って…
「兄貴…大丈夫かなぁ~」
「大丈夫ですよ。ジュンケイさんですから…」
「さて、曲を聞かせてもらいましょうか…」
西園寺監督が私達を見て
「まさか、まだできてないのかね。」
空気が悪くなる寸前にやっと、ジュンケイさんが入ってきた。
「お待たせしました。お願いします。」
出来上がったばかりのCDを流すことに…
私もメンバーもずっと緊張していたけど、ホッと力がぬける。
イントロが流れ始めた瞬間、私達はジュンケイさんを一斉に見つめる。
言葉が出ない中、テギョンさんが
「な、なんだよこれは?」
それはジュンケイさんらしい曲だった。
(一瞬のうちに引き込まれる。)
曲が終わると拍手が起きた。
表情の固い西園寺監督は“フゥ~”と息を吐き ジュンケイさんの元に近寄って…
「君がジュンケイ君かね?」
「はい。」
「正直言うとアイドルってところから期待はしていなかったんだが…間違いだったようだ。」
笑顔の西園寺監督がジュンケイさんの両肩をグッとつかんだ。
「映画のコンセプトにぴったりだよ。君は若いのに素晴らしい才能を持っているなぁ。」
そして、ジュンケイさんと西園寺監督は固い握手をする。
「ジュンケイさん、映画の主題歌に決定しましたよ。おめでとうございます。」
私が声をかけてもまだ、実感がわいてこないらしく 少しボーっとしているジュンケイさん。
「ジュンケイさんの曲、すっごくステキでしたよ。」
「ソニル…」
急に私をぎゅっと抱きしめてきた。
「ソニル、俺の曲がどうなるのかもう一度、言って…」
「ジュンケイさんの曲が映画の主題歌に決定しましたよ。」
今度は私を抱きしめたままクルクルと回り始める。
(目が、目がまわる~)
「やった、やったぞソニル。」
「はい、おめでとうございます。」
ジュンケイさんの少し涙目の笑顔に胸がいっぱいになった。
また、ふたたび私をクルクル回しながら…(目が回る~。)
「これもソニルのおかげだ。ありがとう。ソニルはやっぱり、“MUSE”だな」
すると、ジュノさんが私をジュンケイさんから引き離して
「“MUSE”なら僕が欲しい。」
私の手を握っていたジュノさんの手をテギョンさんが払いのけて
「それなら、俺がもらう。」
私の肩をつかんだテギョンさんの手を払ってウヨンさんが
「俺にちょうだいよ。俺もソニルが欲しい。」
私の手首を握っていたウヨンさんから自分の方へ取り戻すジュンケイさん。
「こら!ソニルは俺の“MUSE”だ横取りするなよ。」
(ひぇ~。やめて~。)
四人の取り合いにまみれていると…
優しくニックンさんが救出してくれる。
「ソニルさん、こっち♪」
「こらこら、ソニルさんが困ってるでしょ」とニックンさん
「兄さん達、変な取り合いしてたらソニルさんがかわいそうだよ。」とマンネのチャンソンさん
そんな二人を見てテギョンさんが
「そんなこと言っても“MUSE”は欲しいだろ?」
チャンソンさんはちょっと赤くなりながら「それは、まぁ…」
私はニックンさんに“MUSE”の意味を尋ねる。
「“MUSE”はね。芸術家やアーチストにインスピレーションを与える女神のこと。
創作意欲を刺激する女性のことだよね。」
「ソニルさんは兄貴の救いの女神ってこと」チャンソンさんに言われて赤くなる私。
「でも、ソニルは兄貴のものじゃないし、だから、俺達全員の“MUSE”にする。」
ジュノさんにそんなこと言われて…
(なんだか、嬉しいような~、恥ずかしいような~)
みんなと寮に帰って来るなり私のスマホが鳴り響く…
相手は律子さんだ…
部屋に向かうジュンケイさんを呼び止めた。
「ジュンケイさん…律子さんからです。」
あわてた様子で私に向かってくる。
私は律子さんからの電話にでると…
涙声の律子さんが…
「ソニルさん、岡崎が…岡崎が…」