「みんな~ちゃんとカッパ着てますかぁー」
「着てる~♪」
ウヨンさんは見渡しながら…
「風邪引かないように寒かったら席を立ってもいいですよ~」
「大丈夫だから帰らない~♪」
この日を待っていたファン達に向けてジュンケイさんが声を張上げる。
「じゃあ、盛り上ろう!!」
ステージがどしゃ降りの雨の中始まった。
(みんな…転んで怪我なんかしませんように…)
衣装も髪もずぶ濡れだけどみんな客席に歌を届ける。
雨のコンサートが終わると私は先にホテルに帰りメンバーの部屋を温めて回った。
帰ってきたチャンソンさんが私を見るなり突然、倒れてきた。
(えっ…チャンソンさん?)
チャンソンさんの重さに耐えきれず一緒に床に倒れこむ。
「チャ、チャンソンさん重いです。あれ?すごい熱…」
「ソニル。テギョンが…」
ジュンケイさんが走ってきて、私の状態を見てチャンソンさんの身体を持ち上げてくれ
そして、チャンソンさんを部屋のベットに運んでくれた。
「チャンソン、大丈夫か?医者を呼ばなくちゃ…テギョンも熱があるんだ。」
「すぐに呼びます。ジュンケイさんは大丈夫ですか?」
「大丈夫、ソニルはチャンソンの介抱を頼むよ。」
私はあわてて医者を呼んだ。
(どうしよう。まだ、コンサート残ってるのに)
「次のコンサートの前に二人が倒れるなんて…」
チーフマネは困りはてている。
医者から数日間安静にと言われたけど スケジュールが詰まっているから休めない。
とにかくチーフマネはスケジュール調整をするため確認している。
「ソニルさん、二人の看病頼みます。」
「わかりました。」
テギョンさんの額のタオル交換をすませるとチャンソンさんの様子を見に行く。
チャンソンさんの部屋にはジュンケイさんが居た。
「ここは私がします。だからジュンケイさんは自分の部屋で休んでください。」
「俺も心配だから…」
(休んでと言っても聞いてくれないだろうけど…)
2日後、次のコンサート会場へ来ていた。
「テギョンさんもチャンソンさんも体調はどうですか?」
何とか元気になる二人…
ジュンケイさんとは口喧嘩してからまともに話をしてない…コンサートが終わったらきちんと話さなきゃ。
リハーサルをするジュンケイさんを見て体調の変化に気づく。
リハーサルが終わり、私はジュンケイさんの元へ行きちょっと強引に額に触れた。
「いつからですか?いつから体調が悪かったんですか?平気とか言わないてくださいね。」
「初日のコンサートから…」
「どうして、どうして言ってくれなかったんですか。」
体調の悪そうなジュンケイさんの手をつかむと払いのけられる。
「みんなが頑張っているのに俺が休むわけにはいかない!!」
ジュンケイさんは自分の事よりみんなの事ばかり気にしてる。それにやっぱり、私にはなにも言ってくれない。頼ってくれない。悲しい…