マネージャーになると決めた翌日からチーフマネから呼ばれ事務所での仕事内容の説明を受けていた。
「マネージャーの基本はスケジュール管理だよ。タレントがスムーズに動けるようにすること…」
いよいよマネージャーの仕事始まるんだ。精一杯頑張らないと…
私には寮の管理人の仕事があるのでスケジュール管理と現場でのメンバーの世話役を中心にやることになった。
「さっそく、ついて来て欲しい現場があるんだけど…」
デスクの上にある資料を渡してきた。
それはバラエティ番組の台本だった。

日本で人気のタレント、リョウさんが司会の番組で2PMがゲスト出演することなっていた。
“リョウと巡る温泉地”
ロケでは1泊2日のスケジュールが組まれている。私も一緒に泊まることになった。
「1日目の撮影が済むと翌日までオフだから、ソニルさんも休んでいいよ。」
「本当にいいんですか?」
「うん、これからアリーナツアーの準備があるからね。ただ、リョウさんには気をつけてね。」
「えっ!?」
リョウさんって業界ではかなり噂がある人らしい…

ロケ当日…
ディレクターさんとの打ち合わせでメンバーみんなは離れた場所にいる。
私はチーフマネにつれられてリョウさんのところに挨拶に行く。

「へぇ~。君が2PMのマネージャー?」
「チャン・ソニルと申します。よろしくお願いします。」
その時のリョウさんは爽やかな笑顔で良さそうに見えた。
チーフマネが席を外すと…いきなり、近づいて来て
「君かわいいね。彼氏いないの?」
「いませんけど…」
私の肩に手を乗せてきて、「今度、家でパーティするんだ。君も来ない?」
チーフマネの忠告はこのことだったんだ。
そして、私のスケジュールを聞いてくる。(どうしよう…)

ソニル!!
ジュンケイさんが私の名前を呼んだ。
そのおかげでリョウさんから離れられた。

ジュンケイさんのところに行くと小さな声で「俺の側から離れないで」と
(ジュンケイさん。もしかして私を助けてくれたの?)

ロケバスに乗って現場へ移動することになった。
私の横にジュンケイさんが座った。
「ソニルの横、ゲット」
「あ。ソニルの横がよかったのに…」
ジュノさんが口を尖らせる。
「今から俺達は現場に着くまでふたりの世界をすごすから、お前ら邪魔するなよ。」

「ソニル、明日は誰についていくの?」
「えっ?」
明日のロケは6人個別の撮影でスタッフがそれぞれにつくことになっていた。
メンバーみんな“ソニル!!”がいいと取り合いに…(とっても嬉しいけど)

そこで、ウヨンさんの提案で今日のロケにクイズゲームがあるから優勝した人が2日目に私を同行することになった。
“ソニル争奪戦”
(完全に私を無視で話が進んでる。)

約2時間後、ロケの現地に到着…
そこはのどかな温泉地街だった。
ロケの収録が始まり司会のリョウさんがみんなにクイズを出しながら温泉街を捜査する。
まずはジュンケイさんが1問正解♪
いくつかクイズが出され全員が1問ずつ正解していた。
(あ、次がラスト問題だ…誰が優勝するんだろう?)
私はチラリとジュンケイさんを見る。
ジュンケイさんは答がわからずに私をジーっと見ている。
ん?ダ、ダメですよ。