入力 → 処理 → 出力[No.316] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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表題はコンピュータの仕組みを大まかに表現したものである。最初の入力(投入される情報)が狂っていると、出力(結果)も大いに狂う。いくら処理(考え方)が素敵でも投入される情報が誤っていては意味がない。人の場合、入力で多くを占めるのは聴くことである。ここで大きく差がつく。会話において意識して聴く姿勢が求められる。ビジネスシーンで話術の大切さが妙に尊ばれることがある一方、ピントの外れたことを饒舌に語り続ける残念に出くわすことも少なくない。

 

間違った問いに対する正しい答えほど危険とはいえないまでも役に立たないものはない。 ドラッガー

 

適切に相手の頭の中の「こうしたい」を把握できないと自己満足に陥る。だから聴くことが肝要だ。仕事で相手の要望を整理するような場合、7割を相手に話してもらうくらいで丁度よく、自分はどれだけ相手の頭の中をさらけ出してもらうために適切な質問が投げられるか?が勝負だと考えている。

 

そうすることで、なんとなくこうだろう、な相手の想いへの精度が高まる。また会話などのコミュニケーションを幾度か重ねるうちに、お互いの共通認識みたいな双方の中間にフワフワ浮かぶ共有フォルダに情報が蓄積され、そこへ無意識にアクセスすることで多くの会話を必要とすることなく分かり合えるようになる。ラフに描いた図を見せて「こんな感じで!」「了解!」で事足りてしまうように。

 

また情報自体を知っている必要性は以前に比べると随分と少なくなった。必要となった時にググればいいから。好きなアーティストのCDを所有せずに聞きたい時に検索してストリーミングするspotifyみたいに。重要なのは検索して得た情報を組み合わせて独自の視点を持つことだ。私がIT技術者としてクライアントの困り事をシステムによって解決する際に、対象となる人がどのような状況に置かれていて、何に対してどれくらい困っていて、どのように満たしてあげられるか?様々な答えの可能性が浮上する。その中より、費用や、使い勝手、労力など、最も対象者に適したバランスのとれた組合せを提案できる自分でありたい。

 

人は自分に都合の良い情報を積極的に求める一方、自分にとって不都合な情報は遠ざける傾向がある。だから場合によってはコロナ禍の時の自粛警察みたいに過剰に偏った正義みたいなことになるのかもしれない。また利益獲得が目的の企業のお金(CM)によって運営されるニュースは当てにならないことも少なくない。さらに声の大きさ、妙な話術に囚われている組織も幾度となく見てきた。そんなだからフェアな情報を集め(入力)、正しく考え(処理)、適切な行動をとる(出力)自分でありたい。

 

何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つ者をマネジャーに任命してはならない。 ドラッガー

 

正しくありたい、そんな曲