どこでも〜場所に縛られない自由[No.297] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ

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 自宅から遥か遠く離れた高性能なコンピュータに、それほど性能が高いわけではないパソコンで入り込み、出社しているのと変わらない環境で働くリモートワークが当たり前になりました。少なくてもこのような仕組は技術的には随分と前から可能ではありましたが「仕事は会社で行うもの」という鉄のオキテによって普及が阻まれていました。

 

 私がかつて都心部に通勤していた頃、妻と共働きで小さな子供を抱えた状態でしたので、どうしても月150時間の残業みたいな生活は不可能でした。とはいいつつ私が従事しているシステム構築の仕事は時によると、どうしても過酷な日々が暫く続くことがあります。このような中、家事を分担しないといけませんので、帰宅後や休日に自宅からリモートで仕事をする他ありません。しかしITの仕事は成果が表に見えズラいこともあり(ITに限らず多くの職場でも似たようなことはあると思いますが)、誰も見ていないところでの苦労を分かってもらえず随分と嫌なこともありました。3カ月の間、ぶっ通しで休みなく働いた挙げ句に「何もしていない」との上司の一言に絶望したこともありました。そんなですからリモートワークが市民権を得た今を私はとても嬉しく思います。

 

 改めて場所に囚われることなく仕事が出来る、さらにそのようなワークスタイルが市民権を得たことは本当に素敵なことです。私が都心部まで通勤するとなると往復で3時間はかかりますので、在宅になることで随分と生活にゆとりが出来ました。しかし相変わらず出社への強いこだわりの声も耳にします。管理されているメンバーは細かい指示に基づき、精一杯頑張っている姿をじかに見てもらい、管理者はそれが当前に心地良い、、、リモートで離れてしまってはそれが成立しません。ですので管理者は自分の指示通りにメンバーが動いているのか?ひょっとしたらサボっているのではないか?その一方、管理されているメンバーは指示通りに動けているのか?また自分の頑張っている姿を見てもらえない!!!このようなことで管理する、される双方にとって不安、不満が募るといった、どうしようもない非効率な悲惨がそこにはあったりします。いつも女を監視していないと落ち着けない束縛を必要とする哀れな男のように。

 

 場所に縛らることなく仕事ができる素敵は物理的にもそうですが、さらにワクワクさせられるのが組織という場所(枠)に縛られることなく働けることです。私が社会人になった1996年は就職が就社なんて言われていまして終身雇用がまだ当たり前の存在でした。ですので、どんなに酷い環境でも、とにかくしがみつくことを良しとする考えが幅を効かせていました。そういう感覚はまだ残っている所には確実に残っていて、もうそれほど必要とされていないような場所に、目標を、熱意を、役割を、とうの昔に失ってしまった多くの方々が何となく在籍し続け、しかしそこから離されることには必死に抵抗するケースが多いようです。その一方、新たに社会的な需要が高まり労働力が必要になったにも関わらず圧倒的に人手が足りていない状況が少なく無い・・・残念な状態になっています。

 

 このような中、大切になるのがモビリティ、つまり移動できる力と言われています。特定の組織に居続けることを前提に身を委ねすぎることなく、つまり決して組織に依存することなく、自立の継続を可能にするため、多くの場所で必要とされ、役に立てる、再現性のある能力を、不安や不満をエネルギーに努力を継続することによって身につけていく必要があると考えています。でないと今まで持っていたスキルや所属する組織の優位性が失われた場合に、非常に危ない状態に陥ります。交渉力を持てず「もし選んでいただけるなら私の〜な能力をお役立てください、でも無理にとは言いません」な余裕を組織に対して示せる状況になく「何でもしますから、どうかお願いです、置いてください!」な足元見られまくりで、仮に置いてもらえることになったとしても条件面では組織の言い値に従う他ありません。変に交渉しようものなら「なら別にいいよ!」でサヨナラです。(実は、かつての私の実話です・・・)

 

 このようにモビリティが重要な今、私は歴史上最大の勢力圏を誇ったモンゴル帝国の強さの源泉である機動力に非常に魅力を感じます。このようなモンゴル帝国の強さに重なるのが最近、コロナ禍の中、大きく注目を集めているキッチンカーです。需要を求めて自ら自由に極めて迅速に移動できるからです。私もこれに似たようなアメリカで人気のキャンピングトレーラーであるAirstreamを本社にしたいと最近、本気で思うようになりました。自宅に停めて秘密基地みたいな気分でワクワクなしながら一人の時間を満喫できますし、気分がすぐれない時は山や海といったお気に入りの場所へ車で引いて移動し、働いたり、リラックス出来ます。ですのでやり方次第では真のワーケーションが実現できます。時にはクライアントの近くに移動し早急に多くの物事を決めないといけない(缶詰な)会議にも対応できます。ちょっと過激ではありますが、さらには定住地を持つことなく移動しながら、その時々に適切な場所に生活する本物のノマド(遊牧民)にもなろうと思えばなれます。ただし多くのモノやコダワリなどと、色々と捨ててしまう必要はありますが。もしそれが実現出来ましたら、圧倒的に身軽でスマートな多くのことに邪魔されることのない人生が実現できそうです。

 


airstream

 


機動力を感じるradiohead