トリプルボトムライン〜もはやピノキオの意地悪な人形一座の親方ではダメなんだ[No.137] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
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トリプルボトムラインとは、これまで企業の評価は、どれだけ儲けているかといった経済的側面だけが重要視されていたけど、それに加えて環境を保全する、社会のルールを守る、といったことも含めて総合的に評価しましょう!ってことである。

アメリカでは1997年にナイキが生産を委託していたベトナムなど東南アジアで小さな子どもを学校に通わせることなく工場で働かせていたことが明るみになり各地で不買運動が起こり売り上げは1年で7割も減ってしまったと言われている。日本で記憶に新しいのは居酒屋ワタミで過酷な労働を苦に社員が自殺してしまい、社長や会社の姿勢への批判・疑問が強まった。それが影響したのか分からないけど、このところの業績も芳しくない。中国では工場から排出されるPM2.5による国民のストレスが共産党の存続問題に発展しかねないとまで言われるようになってきた。


これから成長しようとしている国においては自分の利益を我慢して社会の利益を考えている余裕なんてないってことになるけど、いち早く物質的豊かさに満たされた国においては自分はもう、お腹一杯だから今後は社会を良くするために生きていくカミみたいな人も現れやすい。パソコンのWindowsで一時代を築いたビル・ゲイツが早々にビジネスの一線を退き慈善活動に専念しているように。(スマホ・タブレットの出遅れによって業績が芳しくないMSに再び関与を強めるといった話もあるけど。)

企業の社会的責任みたいなことを持ち出すとピノキオの意地悪な人形一座の親方みたいな人は「儲けないことには、いくらキレイ事言ってもそんなの絵空事に過ぎない。経営を知らない奴の屁理屈に付き合っている暇はないんだ!」って言うかもしれない。でもここ10年でそういうことを無視できない空気感が確実に強まっていることを肌で感じる。労働条件順守、環境保全、法令遵守の意識が低い企業との取引を制限するといったクリーン調達を掲げる企業が増えている。さらに社会的責任投資 (SRI)っていう考えがあって社会的責任の達成度の高い企業は企業不祥事を起こしにくいため、投資におけるリスクが小さい、だからそのような企業の株を買おう!ということになって株価(企業価値)が上がる。

キレイ事を言っていると儲からないのではなく、それを守らないことには儲けられなくなりつつある。

人は欲の塊だ。もっと、もっとに際限がない。でも、それは必ずしも悪いことばかりではなく、そういったことがエネルギーとなって素敵なアイデア、発明が生まれたりする。だから欲を否定するのは僕は違う気がする。だから欲の根底にある思いが変わっていけば良いと思う。単にお金が得られればいいのか?確かにお金は大切。でもそれだけではダメで格好良くないといけない。格好いいって何?ズルをしない、人を犠牲にしない、自分がオモシロイ、人が喜んでくれる、僕はそいうことを格好いいと思っているし、モチベーションとしている。こういうことをバカにする人もいるけど気にしないようにしている。


際限のないことを歌ったBeatlesのHelter Skelter

数年前に、経営危機に瀕していたパナソニック。再生のために今後、発展が予想されている新興国への働きかけを活発化させている。そんな一環として電気のない貧しい村に太陽光で充電できるLEDライトを寄付したことで「夜も勉強できる」って子供がキラキラした目で嬉しそうに語っていた姿が報道番組で流されていた。それは単なる慈善事業ではなく、今は一銭にもならないけれど、パナソニックっていうブランドを強烈に焼き付けておいて、将来、発展した後にパナソニックを選んでもらう、そんなしたたかさを感じた。肉を切らせて骨を断つ。ズルいなんて思わない、むしろ素敵すぎる。暗闇を照らすことで誰が損われるわけでもないから。

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