スイッチングコスト~あなたじゃないとダメなんだ[No.126] | 起業して不安はあるもののワクワクしている50歳・IT技術者・中小企業診断士のブログ
文章長すぎ!って方は赤字部分だけお読みください。
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スイッチングコストとは現在、選んでいるモノ・サービスから別のモノ・サービスへ乗り換える際に発生するコストのこと。例えばパソコンをWindowsからMacに乗り換える場合、操作性の違いといった煩わしさがスイッチングコストとなり、面倒だから今のままでいいや!となってしまったりする。

製品のライフサイクルが短くなっている現在、消費者にたいして、いかにスイッチングコストを高めて、他社製品に目移りさせることなく、自社製品に留まらせるかが重要になっている。

Stand by me(そばにいて欲しいことを歌った曲)

そんな一例として僕が使用しているiphoneは顧客サポートが凄く洗練されていて、いつも感心させられてしまう。不具合や操作についての質問の電話をすると製品に精通したプロが凄く丁寧、迅速に対応してくれる。これをやられてしまうとブランドロイヤリティ(忠誠心)上がりまくりで離れられなくなる。マメな男性が女性のハートをガッツリとつかんで離さないように。


これとは逆にライバルのお客を奪おうとする場合はスイッチングコストを出来るだけ低くして乗り換えを促そうとする。例えばスマホの乗り換えのために「家族4人で52万円のキャッシュバック」っていう過激な販促があったりする。その原資が既存利用者の利用料だから長く使うことがバカみたいだ。釣った魚にえさを与えない小ざかしい男性に捕まってしまった哀れな女性みたいに。このことは先日、総務省から携帯キャリアに指導があり、最近は鳴りを潜めているようだ。

続いて僕の経験の話。僕は過去にコンペで既存のお客さんを他社にとられてしまったことがある。技術よりの傾向が強かった僕は慣れない提案書を作って必死にアピールしてみたけどダメだった。僕の仕事はお客に十分なスイッチングコストを感じさせるに至ってなかったのだ。

そんな苦い経験の後、僕は、お客にとって価値あるSE(システムエンジニア・僕の職業)ってどんなだろう?って凄く考えた。お客に使われてしまう便利屋ではダメで、お客と僕の双方にとって良い仕事とするためには適正なお金、時間が必要で、それを分かってもらうためには、自分がお客と対等な立場で話ができないといけない。だから技術を知っているのは当たり前で、お客の業務にも精通した上で「いくつか方法はあるけれど、僕はこうした方がいいと思う、何故かというと・・・」みたいな提案を自信をもって行い、それにお客が価値を感じてくれないといけない。さらに無茶言われたら押し返したり、いなしたりといった交渉力も必要だ。そんなダメ出しをしているとホント自分が情けなく思えてくる。でもダメな自分と向き合うことで、なりたい自分、今後の努力のベース、スイッチングコストを感じてもらえる自分の姿が遠い向こうにボンヤリと見えてくる。そんな、傷みの繰り返しで少しづつ上手くできるようになる。

僕がまだ小学生のころ、広島東洋カープに正田耕三という、くらいついていく姿勢がハンパでないスイッチヒッターがいた。もともとスイッチだったわけではなくプロ1年目で限界を感じてスイッチに転向したそうだ。で、その習得のために本当かウソかは知らないけれど睡眠と食事以外はバットを握っていたとか言われてた。そのようなスイッチングコストの甲斐もあってか首位打者に2度輝いている。そんな彼の労苦を厭わないことについての言葉が僕を刺激する。

素質を補うために練習を重ねた。

くらいついていく、素敵なことだ。

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