今日、猪瀬東京都知事が献金問題で辞意を表明した。猪瀬知事というと左翼のリーダ的存在であった人で既得権と必死に戦っているイメージがあった。何とも皮肉なものである。
少し前の「決められない政治」と言われていた時に、クリーンな実行力のないロマンチストより、少しくらいグレーでも寝技とかでなんとかしてしまうリアリストにどこか知らない場所に連れて行ってほしいと思っていたのは僕だけではないと思う。江戸の財政難の時代に清らかな松平定信より少しよどんだ田沼意次が愛されたように。
今回のケースはグレーではなくクロ(限りなくクロに近いグレー)なんで辞任は仕方ないと思うけど。
そんな猪瀬知事に僕はいつの日か是非、復活して欲しいと思っている。十分な謝意を述べた後に「権力を批判することはいかに簡単で、いざそちら側に立った時のハンパない孤独感、不安感といったものがわかっていなかった。そういった経験は明らかに僕を成長させた。迷惑をかけて言うのもなんだが、ないよりあった方が良かったと今では思っている。だからもう一度やらせてくれないかな?」みたいなこと言って。そうして挫折によってどん底から這い上がろうとしている人たちの再挑戦のモデルケースになってくれたらいいなと思う。失敗したって、また立ち上がれば良い、アスファルトを貫く根性大根のような生命力でって。
先日、階段の角に足の小指をぶつけた。死にたくなるほど痛かったけど、やがて痛みは消えさり気にならなくなった。そして今日、その階段を上ることに怯えているわけではない。