長渕剛って、ライブ中ずっと足元にあるモニター(カンペ)見て歌ってる。
それを見て、「自分が作った歌やし、ずっと歌ってきてる歌なのになんで歌詞覚えてないの?」って言う人いるけど
多分、そういう人って、苦労して曲を作ったことないか、めちゃくちゃ天才のどっちかなんだろうなあ…って思う(笑)
昔、GLAYのTAKUROだったかなあ?
「自分の作った曲ほど覚えられない。完成した曲はすぐに忘れていかないと、新しい曲が書けない」みたいなことを言ったのを聞いて、すごく納得いったのを覚えてる。
今でこそ足元のモニターで目立たなくなってるけど、昭和のアーティストって譜面台が目の前にデーン!って立ってるイメージが強い。
そもそも曲作りって、剛が王さんとの対談で「生む苦しみ」って表現した通り
1曲作るのにノート何冊分も詞を書いてっていうこともざらにあるって言うし、
中島みゆきなんかは「何年もかけて書き溜めた何冊ものノートの中から、これだっていうフレーズを抜き出して1曲の曲を作っていくから、1曲を作るのにも物凄い時間と労力がかかる」って言ってた。
そんな中、持ち歌が何百曲もあって、
未発表曲やボツ作品も含めたら、何千、何万曲もあるんだから、
そりゃいちいち覚えてられないよね
一方、他人から提供された曲を歌ってるだけのシンガーは、歌うことだけに専念すればいいんだから、
当然、練習した分、歌詞を覚えられるのは当然なわけで…
そこと、シンガーソングライターを一緒にするのは、ナンセンスだと思うんだ!
もちろん、全曲覚えてるっていうシンガーソングライターもいるとは思うけど、それはまた違う才能だと思う。
俺なんて、オリジナル曲、数曲しかないのに、全く覚えてないよ(笑)
自分の分野で置きかえてみたらわかると思うけど
仕事で例えれば
売上目標ってのは、頭に入っているだろうけど、じゃあ、結果の過去10年分の売上データ覚えてる?
学校で例えれば
テストの点数、毎回80点以上目指してた!じゃあ、この3年間のテストの点数全部覚えてる?
それと同じようなことじゃないかな?
物を作るクリエーターって、できたら終わりじゃないんだよね。
次から次へと新しいことにトライしていかないといけない。
1つの作品の完成って、僕たちの1日の売上が達成したのと同じで
もう次(明日の売上)のために動き出さないといけない。
過去の売上なんて、データで残しておけばいちいち覚えておく必要がない!
それと一緒じゃないかな?って思うんだ。
ひとつの山を越えたら
そこから下を見下ろす人もいる
向こうにそびえる遥か高い山を忘れて
今の自分に酔う人もいる
---『顔』 詞:長渕剛---
長渕剛は、常に次(前)を見据えて走り続けるアーティスト
「何で歌詞覚えてないんだ?」っていう人はこの曲を
真の意味で理解できていない人なんだと思うのは
僕だけだろうか??