2010年3月に発生した韓国海軍の哨戒艦「天安」の沈没原因に関し、北朝鮮の「軍事論評員」は4月17日、「(韓国が)『北関与説』をねつ造している」として、自国の関与を否定した。しかし、韓国軍民合同調査団が「外部爆発の可能性が非常に高い」との見解を示したことで、同国では北朝鮮攻撃疑惑が強まっている。韓国政府は、北朝鮮関与を想定した対応の検討を始めた。
合同調査団は16日の記者会見で、前日引き揚げた船尾部分の切断面などを調べた結果として、外部での爆発で左舷に大きな衝撃が加わったと指摘した。爆発物が同艦に接触した可能性のほか、同艦近くでの爆発も考えられるという。
韓国メディアでは北朝鮮による魚雷攻撃を疑う報道が過熱している。中央日報は「(1200トン級の)哨戒艦を真っ二つにできる魚雷を搭載できる潜水艦は北朝鮮の『サメ級』(300トン)」との専門家の見方を伝えた。
同紙によると、韓国政府は柳明桓外交通商相を中心に、北朝鮮による攻撃との結論が出た場合に備えた対応策の検討を始めた。一部から軍事的報復論も挙がっているが、時間が経過し、正当防衛に当たらないため困難との見方が支配的で、国連安保理の制裁決議を追求する案が有力だという。
軍は、原因究明の鍵となる爆発物の破片収集を急ぐとともに、今月中にも船首部分を陸揚げし、米英豪などの専門家の協力を得て慎重に調べを進める方針。北朝鮮関与疑惑がくすぶり続ける中で、原因特定には相当の時間がかかりそうだ。
これまでに行方不明者46人中38人の遺体が収容された。多くが20代前半の若い兵士で、3月26日の発生から3週間以上たった現在も韓国社会は悲しみに包まれている。対応次第では批判が一気に高まりかねず、6月に統一地方選を控えた李明博大統領は難しいかじ取りを迫られている。