「村長さん、ドアの鍵が締まらなくなりました」

 「村長さん、デッキが腐って落ちそうです」

 「村長さん、ここに看板立てたいのですが・・・」

 

 いやいや、村では大もての村長さんですが、ようは早く修理してちょうだいという事なのです。

 この村もできてから十数年(15年以上20年未満)あちらこちら、つぎはぎだらけで何とか維持している状態ですから、修理も大変なんです。

 

 最初の依頼主は4月に入居したばかりの「アヤ工房」さん・・・。

 ドアとシリンダーを受ける柱との隙間が広すぎてシリンダーの引掛りがなくなっているようです。

 鍵が掛からないと大変ですから最優先で修理・・・。

隙間を埋めるように板をスライスして貼り付け受け金具が届くようにトントントトーンと修理完了・・・。

 これで、大丈夫ですよ・・・あれ、アヤちゃんは?

「用事あるって帰ったよ」  ガクっときました。

せっかく褒めてもらおうと思ったのに・・・なんてね。

 

 さて、次は・・・。

アーティスト村名物・・・腐れデッキです。

 板をはがしてびっくりぽん。

まず、ここで途方に暮れます。  とほほほほ。

しばらく、作業を中断して考え込みます。 (頭の中で作戦会議中です)

 

           間

 

 「よし、分かった・・・これで行こう」

やり方が浮かべば八割方出来たも同然・・・ぱぱぱぱっと。

 

 と、行かないのが腐ったデッキなんですよ・・・ビスもまともに利かないものですから大変な作業になってしまうのです。

 「あれ、これも使えない、あれ、これもダメだでば」の繰り返しで、ようやく出来上がりました。

 たったこれだけの仕事に半日以上かかってしまうとは・・・。

 

 さあ、次は・・・看板?

 

 「村長さん、ここのデッキも落ちそうです」

 

                     ガ ク ❢