守山市の妙蓮池に咲く 近江妙蓮

 

室町時代から地元の旧家・田中家が妙蓮池(大日池)で育ててきた蓮

慈覚大師が唐より帰朝の際に持ち帰り【田中の池】に植えられて以来

長く咲き続けていましたが、1896年(明治29年)から咲かなくなり

1956年(昭和31年)植物学者・大賀一郎博士に復活を依頼

 

1960年(昭和35年)他方へ移植されていた妙蓮の蓮根を大日池に移植

1963年(昭和38年)の夏には花を咲かせました。

つまり【近江妙蓮の里帰り】ということです。

 

 

葉や地下茎の様は、普通の蓮(常蓮)と違いはありませんが …

 

 

開花するとその様子は全く異なります。

 

蕾の時は一つの花に見えますが、花弁が開いた後は一茎に

2~12の花群が見られるようです。

 

花弁数は

開花前の蕾の時期には、2千枚前後

開花すると花弁の数も次第に増え5、6千枚となり時には

8千枚を超えることもあると。

              近江妙蓮資料館の資料より

 

幾つの花茎が見られるかな ~と

次々に眺めていくのも面白い。

 

 

 

★ 常連の花は

4日間で全ての花弁を散らせ咲き終わりますが

★ 妙蓮の花は

20日間前後も咲き続けて、そのまま数千枚の花弁を散らさないで

枯れます。

 

★ 常蓮の花は

はちすと呼ばれる花托(雌しべ)が多数の雄しべに囲まれて存在

★ 妙蓮の花は

雄しべも雌しべもなく花弁だけなので種子を作ることが出来ず

レンコンで次の代の新個体を作ります。

 

 

                      資料室

近江妙蓮保存会の方達が管理・育成されていて

この時期には、池を覆いつくした立葉の中に薄紅色の花と

見応えのある光景が広がっています。

 

つい最近

近江妙蓮の存在を知り是非にと思い出掛けてきました。

様子の違う容についつい見入りと満足のひと時を

過ごしてきました。