男ひとり年内の覚悟と言われて丸一年…千歩 歩めば 千本松原散歩道 先ゆく男ひとり秋刀魚の匂い道を外れると 冬近き色南西面は雪が飛び 冬の黒富士のどけき奥駿河湾に朽ちし和船 一艘紋黄蝶一頭 足元に舞う浜風に吹き揺れる 咲き遅れし 河原撫子胸にあつれば流離の憂い椰子の実一つ佗しき冬の音明日は立冬