平昌オリンピックの後ルールが変わり、今季また幾つかの変更がありました。

CSの初戦を経て、点数の出方・エラーの取り方など、様々な取り上げがなされています。

昨季からGOEの付け方についてより複雑な計算方法が適応されていて、
-5~+5の各段階に応じて基礎点も10%単位で増減するようになり、
また、転倒やエラーにより制限が設けられました。

昨季の始め、自分が簡易的にめぐらせた点数とプロトコルのそれに違いがあって、
excelで自分なりに計算表を作成してみたのですが、あまりにも複雑で、
(と言うか自分のアタマがついて行かず)
男子シングルの分を作ったところで挫折しました。
(こういうのは得意な方が毎年上げて下さっているので、そちらを見ればいいのですが、
自分で作るには仕組みを理解する必要があるので、勉強にはなります)


 

この表では一番左の二重枠内にジャンプの種類を入れて、ジャッジそれぞれの評価を入れると、
実際のGOEが計算される仕組みにしてありますが、
もちろん今季はエラーに関する基礎点の減率が変わったので、このままでは使えません。
(そして女子の場合はこれに係数が掛かるので、それをやろうとすれば半日くらいはかかりそう)

ただたぶん、こういうものを頭に入れていると、失敗した時のリカバリや次戦に向けての対処法などが
より具体的になるのだろうなぁと思います。

こういうベースのルールについては、コーチは取り敢えず把握していなくてはダメですよね。
点数を取る為に全体を見ていく立場なので。


テクニカルの方とジャッジ資格を持つ方が今季のルール変更について話されている番組を見ましたが、
例えば、-2以上を付けなければいけないルールだと、エラーをとるのは躊躇するけれど、
-1以上だったら(心情的に)付けやすくなる、と。

今季は昨季と比べて、回転不足やエッジエラーに対する基礎点の減率が75%から80%に上がりました。
また、1Euの回転不足は取らず、GOEからマイナスとなります。

番組の中で無良さんも言っていましたが、昨季まではジャンプ・シークエンスで1Euの回転不足を取られると
シークエンスそのものの基礎点が75%になっていました。
最初と最後のジャンプがどんなにきちんと回っていても、です。
対して、今季は1Euの回転不足では基礎点は下がらずGOEからのマイナスになるので、昨季よりはマイナスにはならない。
そして、基礎点の75%から80%に減率が少なくなっている。

そうすると、ジャンプ・シークエンスにおいてプロトコル上はマイナスに関する表記はないけれど、
実際は1Euの回転不足が認められればGOEが下げられる。
・・ということでしょうか。

ん????


CSの各初戦からURについてやたらと厳しかったのは、昨季は基礎点から75%だったからあまり取らなかったけど、
今季は80%とに上がった分、厳しく見るからね、ということなのかな、と推測したりもします。

あと、ジュニア上がりの選手はこれからまだ修正の可能性があるから厳密にはエラーを取らないけど、
シニアに上がって何年も経っても直らない(直さない)または、いつもより不足が感じられる選手は、しっかり取りますよ、
というのもあるのかな?と感じます。
(これは、新入社員は大目に見るけどベテランはミスなんて許されません、て感じなのかな。一般に例えると)

まぁ、わからないでもないですが、選手が個々にしている努力は公平に判断して欲しいと願います。

10代の選手は若い分だけ身体能力が高い。
正直、何も考えなくても伸びる時期はあります。

そこを越えて、ずっと続けている選手はもっと別の努力をしていると思うし、失敗があったからPCSまで下がるというのはどうかな、と。
(PCSって努力の積み立てみたいなものだと思ってたんですけどね。アスリートとしてアーティストとしての成長のボーナス点みたいな。)



このタイミングで一度、ルールやジャッジについて自分の思ったことを書いておくことで、
頭の中の整理をつけたいと思い、文字にしました。

これからシーズンが進むにつれて、また違う考えになるのかも知れないし、現時点で誤った認識があるのかも知れませんが、
ひとまずここまでで。



あぁ、これは書いておこうかな。

ジャッジもテクニカルも「資格」であって職業ではない。

そして個々の裁量(あるいは度量)によって、採点は大きく左右されます。

スケーターの豊かな感性や高度なスキルを「判断」するには、ルールの熟知以外にも個々の資質が必要になります。

本来、片手間にするものではない「判断」をする覚悟を、全ての「資格」を持つ方々にはしっかりと意識の真ん中に据えて頂きたいです。