原宿。
寒い風のせいか、森の緑の匂いが濃さを増す。
ひんやりした空気と匂いが、心地良くて深呼吸を一つ。
鼻の奥が、寒さでツンとする。
何だか無性に懐かしい気持ちになった。
秋田の八郎潟の程近く。
包み込む様に大きな杉林に囲まれた、青い屋根の平屋。
朝御飯は塩の吹いた鮭と、茄子の味噌炒めと、納豆と、自家製の味噌漬け。
後は、おばちゃんの作るジャガイモの味噌汁。
いつもジャガイモが少し固い。
でも、これがなんかいい。
ダシも煮干しでちゃんと取る。
出涸らしは、犬へ。
縁側から見える庭には、昔ながらの物干し。
その物干しの支柱には、明け方になると時折カブト虫が集まる。
雨の多い土地だから、昼間には天気雨も降る。
雨の中。
青々とした稲田を横目に農道を車で走る。
どこまでも、どこまでも青。
夜のこぼれ落ちそうな星空。
ここでまた、深呼吸を一つ。
思い起こせば、ここは東京。
明治神宮前。
原宿の匂いは、そんなミドリノニオイ。
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