私は寝不足のまま酒臭い息をしながら午前中の打合せをこなし

何とか一日を乗り切った

 

シュンはと云うと昼過ぎまで寝てまたその日も友達を誘って

飲みに行っていた

 

今は 月一のペースでシュンとはこんなデートをしているが

以前は週3回は仕事終わりに飲みに行っていた

 

どうしてこんなに回数が減ったのかと云うと シュンの陥った

病気に原因がある いわゆる心の病気である

 

常に前向きでコミュニケーション能力が高く いつも周りの人達を

笑わせ明るくしていた彼女

 

うつ病からは対極にいる人だと本人も思っていたし 私も思っていた

しかし ジワジワとその病はシュンの心を蝕んでいた

 

ある日体調が悪いから部屋に来てほしいと連絡がきた

今から打ち合わせが入ってるというと  お願いだから来てと

ただならない様子で 慌てて部屋に戻ると

 

突然 過呼吸になり 私はなす術もなく救急車を呼んだ

運ばれた病院で治療を受け 落ち着くとシュンから

病気のことを聞いた 本人は気付いていた

心療内科に通い始めていた 自分一人ではどうする事もできない

 

病気の原因は仕事やお店の人間関係らしいが 

自分を殺して無理をしていた

 

シュンは言わないが すべての原因は 私なのである

 

4年前の出来事である 

 

だいぶ良くはなったが今でも薬は服用している

 

 

喉元過ぎれば・・・

 

シュンとのデート中もちぃからLINEが入って来ていた

 

今日はLINEいっぱい来るね パパ

 

うん 仕事関係ね こんな時間に送ってこなくても いいのにね

 

と言いながら ちぃにLINEの返信をしていた

 

そうだね デートの邪魔しないでほしいわ

 

シュンは何の疑いも持っていない

 

これは 絶対にばれてはいけない

 

 

じゃあ やめたら  もう一人の私が語り掛ける

 

そして 聞こえないふりをする自分がいる