アイドルの側面を担っていた女の子のアルバムとは思えん、けだるさがめちゃcraxy sexy cool!!! なジャケ写
ふつーキャンディー持ってニコニコプンプン丸なジャケ写になるんじゃねーーーの?を演らないのが、我らが安室大せんせっ!
安室奈美恵が引退してから早一年。
待てど暮らせど、彼女の本質である音楽面に沿った評論が出てこんのです。
なので、あっしが、勝手にレビューしやす。
安室奈美恵にとって実質2作目に当たるオリジナルアルバム「SWEET 19 BLUES」。
古巣である東芝EMIを去り、新境地であるavex traxより満を持してリリースされたのが当アルバムでぅぇっす。
説明不要のモンスターアルバムです!!!
が、このアルバムがリリースされた時期を中心について振り返ってみよーーーっと。
96年リリース当時は、私が触れるまでもなく、世間がコギャル(女子高生/ガン黒)ブームの真っ只中。
この時代のこと、よー知らんって子は大根仁監督作のSUNNYを観ていただくと、
まぁまぁなんとなくの雰囲気は掴めると思うよ!
(広瀬すずちゃんみたいな可愛い子がいませんでしたが…)
そんな、ちゃんねーの支持を得、カリスマ的存在であった安室奈美恵大せんせっ!
そして当時代のライオンキングであり、覇者であったTKこと我らが小室哲哉。
小室哲哉と安室奈美恵によるタッグで生まれたのがこの『SWEET 19 BLUES』。
現に、当アルバムのブックレットの最後には、PRODUCE BY TETSUYA KOMUROの他に、PERFORME BY NAMIE AMUROと明記。
プロデュースとは、本来、プロデューサーとアーティストの掛け合い、コラボレーションによって生まれる化学反応を楽しむもの。
しかし、小室プロデュース作品の多くは、小室色に染める(?)染まってしまう(?)のが彼の芸風。というか、手腕。
そんな小室プロデュース作品のブックレットにPERFORM BY NAMIE AMUROと明記されていること。
これが意味することは、小室と同じく安室が時代の象徴であったことが一つ。
また小室がいかに安室奈美恵にインスパイアーされ当アルバムが生みだされたか!ってことです。
現に、安室奈美恵引退に伴い、小室哲哉が雑誌にてそのように応えています。(雑誌名 後報)
全作品確認している訳ではないが、96年当時、泣く子も黙る小室と肩を並べて表記されていたのは安室奈美恵以外いなかったのではと。
当アルバムリリース前の彼女の作品群を並べて見てみても、如実に違いを感じるのが、ブラックコンテンポラリーへのアプローチです。
ブレイクのきっかけとなった、ユーロビート(カバー)3部作と聞き比べると音色もそうだが、
音のスピードの違いも歴然であると音楽ジャーナリストの高橋芳朗氏も指摘されている。(TBSラジオ 相談は踊る 2017.09.22)
(※厳密に言うと、SUPER MONKEY’S初期にブラックを薄くかみ砕いた作品はある。が、それは別の機会に)
現a nationの前身であるTK DANCE CAMPが95年豊洲にて。国内の大型野外フェスの金字塔フジロックが97年開催。
小室がいかにレイブ(野外音楽イベント)を実現させたかったかが窺い知れます。
特にそれまでのユーロビートやハウス・テクノ風J POPの安室奈美恵のイメージを払拭させたのがDon’t wanna cryであると一目(聞)瞭然です!
しかし、今に思うと、小室プロデュース作品第一弾であるBody Feels EXITから、
かすかにブラックミュージックへのアプローチがうかがい知れるとこもチェックしておきたいところ。
音楽そのものは、ユーロ三部作の流れを組んでの、小室哲哉お家芸であるハウスポップスへと傾向してみえます。
注目したいのは彼女ミュージックビデオです!
バキバキに踊る安室奈美恵の他に、パッキパキの黒人のダンサー(というほど、彼らは踊ってはいないが)2人を従えております。
そして、次作のChace the Chanceには前作同様黒人ダンサー(服装にもチェック)+彼女初のお披露目になったであろう(なんつって)ラップも披露♪
当シングルのリミックスではジャングルミックスなどもあり、ブラックミュージックの下地をえっちらこっちら作っていたことが窺い知れます。
前2作品を並べてみると、いかに小室色から違和感なくブラックミュージックへ傾向するかの策が感じられるのであります。
安室にとって白い衣装って節目節目に着られることが多いですよね。
完全にBガール(死語)を目指した衣装。スケルトンは時代を感じますね。
とは、言いつつも、やはりDon't wanna cryがリリースされた時の衝撃は今でも覚えております。
正直な感想、「小室っぽくない!!」
その一言につきますかね。
前述の通り、BPMもぐっーーーーーーーーーーーーーと抑えられ、
TKミュージックの代名詞であるピコピコ音も、キーーーーーーーーーキーーーーーーーーーーーーーっ高音もなりを潜めておられます。
こっからちょっとマニアックな話に入りますが、、、
彼女がJanet Jacksonをいかに敬愛しているかはファンにはよく知られていますね!
「Janet のような曲を歌いたいおーーー!!てっつん作っておぅーーーーーーっ」と彼女からのリクエストに応えたのがDon’t wanna cryと良く耳にします。(想像)
しかし、あくまでも小室哲哉が、安室のリクエストに応え出来たのは「Janetと同じ畑にあるブラックミュージック風を作った」という事だけであって、
Janet(強いて言えばJAM&LEWIS)作品に近接したものとはちょっと、思え難いのです。
要は、「大きく括ればJANETさんの住んでいるブラックミュージック国だけどJanetサウンドは隣の州ですってことですかね。」
(ビジュアルや歌って踊るって事は似せようとしているのはよく分かるが。)
当作品、ブラックミュージック感を打ち出すために小室が恐らく練るに練って生み出したアイデアの一つが、
デジタル音+生楽器(パーカッション/シーラE)が一つの答えだったと思われます。
当時の小室哲哉、マリブにスタジオを構え、現地のアーティストとやりとりをした中で、
気づかされたのが自信のラテンミュージックへの憧れであったそうな。
(意外ですよねー冨田勲から始まった彼の音楽人生が、ラテン音楽に原点を感じるとは……おもろーーです!)
詳しくはユーミンさんとの対談で語られてます。
あと、ヨルタモリでも、ラテンとハウスの原点についてさらっと触れております。
元来Janet作品の特徴と言えば、80年代中盤以降に生まれたデジタル音(HIP HOPサウンド/JAM &Lewis)を打ち出したサウンドであり、
生音は極力避けております。
ましてや打楽器なんて一番避けていたところ!
ノーナリーブスの西寺郷太さんのこの本もオススメ!名著!必読!
ジャネット・ジャクソンと80’sディーバたち (星海社新書)
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そこに、あえてJANETサウンドに相反するパーカッションを加えてブラックさを演出してみせます。
恐らく、もともとPrince一派であったJam&LewisサウンドがJANETそのものなら、
同じくPrince一派(というか、恋人)であったシーラEを招いて、
新しいJANETサウンドを模造しようとしたものと思われる……のは安直すぎるかな??
イメージの一環としてのシーラE姉さんももあったのでは。
何より、小室哲哉が電子音のみで作品を作るとなるとどうしてもハウス系の音に近づいてしまう。
(彼の手癖が強くなってしまう、、、)
その打開策として、パーカッションを加えることにより、彼の特徴でもある癖の強いサウンドを弱める計らいがあったのではと。
※Princeって女の子の趣味良いですよね、、、。
この曲は冒頭を彩るLETS DO THE MOTIONの目指した形なんでしょうね。
アップデートされたのがLOVE2000なのだと思います。
2019年現在聞くと、そのアンニュイな作品に面白さを感じますし、
また違った楽しみ方ができるかと思います!
その違和感を面白いととるか、雑味と感じるかはリスナー次第ですが、
個人的には前者です!愛おしいのです。
小室が安室の求める「Janetっぽいもの作って作っておぅ♪♪♪」の求愛。
小室哲哉からすると、ある種の新境地をここで開拓できたことは非常に大きかったとみてます。
モノクロだから?メイク?雰囲気は伝わります。
当アルバムの作品性からは離れるが、このアルバムがリリースされたのが、1996年7月。
その2ヶ月後の9月にリリースされたのが、dosのchartered。この2作を聞き比べるのも面白いですよ!
もともと和製tlcを作りたいと豪語してデビューさせたのがこのdos。
目指すべき音楽が近いこともあってか、同時期に作られたのが窺い知れる。
制作陣にシーラEや、mcATこと富樫明生も共通共演しています。
面白いのか、悲しいのか、、、dosは当アルバムをもって事実上解散し、
奇しくも2013年に安室奈美恵とTLCがwatterfallsのニューバージョンで共演しております。
曲名もそうだけど、パジャマで踊るってのもまんまやないかい!
両アーティスト共、今思うとガールズユニットだったんだね。
亡きLEFT EYEのパートを安室奈美恵が。賛否両論ありました。
個人的にウィスパーボイスがツボです。
TLCがカメオ出演!(フルでチェックしないと確認出来ませんが…)
ちなみにこのcharterdのアルバム名の由来。
「常にヒットチャート上位にいることがマスト!」のような意味でネーミングしたとかしないとか、(wikipedia情報なので真意は不明だが)
あくまでも個人的な見解だが、本来小室が指す意味とは、96年4月15日付けのオリコンチャートを指しているのでは?と。
1位から5位までを彼のプロデュース作品で独占したことで、世間をちょっとだけ騒がせたのです。
1位 Don’t wanna cry /安室奈美恵 (JANET?風ポップス)
2位 Im Proud /華原朋美 (和製マライアによるポップス??高音やディーバ感が)
3位 FREEDOM /globe (目指すは和製2Unlimited)
4位 Baby Baby Baby /dos (TLC!!!???)
5位 Love & Peace Foreve /trf (Earth, wind & Fire!SOULTRAIN風)
小室からすると、
「TOP5を占めた。乗っ取ったーーー!てやんでぃ!」
「その証を何かしら形に残さねばーーー!」
ってのがあったのではと勝手に推測するが、真相はいかに……。
(しかしながら、悲しいこととに、97年を境に、シングルでのミリオンセラーはなくなり、小室哲哉のチャート上での紙面を賑わすことは少なくなっていった。(98年10月に自信のglobeでの4シングルリリースでオリコン4曲をトップ10に入れ込むも、1位の座はL’Arc-en-Cielにて抑えられてしまい、苦虫を噛む結果となった。))
何がともあれ、このSWEET19BLUES一つとっても、
当時の小室と安室が目指した場所、
今後の方向性、そして当時の海外の音楽シーンを窺い知れる事が出来て面白い作品です。
日本でJANETというとどうしても、
JALのCMで話題になった89年リリースの
RhythmNation周辺のイメージが強いためそこに近づけるのも分からなくもないが、
※ESCAPE!!イントロが宇多田さんのDISTANCEにも影響あたえてそうですね。
※アホなyoutuberが空港でやってそう……な演出ってのは時代のせいです。
小室の得意とするハウス、テクノミュージックからすると、
当時のJANETのサウンドを鑑みても93年リリースしたif当たりを目標に捉えた方が良かったのでは?とも。
(Chace the chanceのリミックスは意識されていると思われるが)
と、なんか偉そうにあーーーだこーーーーだ書きましたが、
愛すべき一枚であり、今聞くと新しい発見に気づかされます。
タンスに籠もっているであろう一枚!
Finallyだけでは網羅できない曲がたくさんあります!
是非是非、(再)チェックしていただきたい一枚!!