"Soka University, today" by Yamaoka

"Soka University, today" by Yamaoka

創価大学でのトピックを皆さんにシェアします。

Amebaでブログを始めよう!

6月10日は、創価大学大学院文学研究科・国際言語教育専攻・日本語教育専修の修士論文発表会をZoomオンラインにて開催しましたので、ごく簡単ですがご報告したいと思います。

 

創価大学大学院では2016年度以降、秋学期入学を受け入れていますので、第1セメスターから第4セメスターまで4種の院生が同時に在籍します。今期は第1セメスター6名、第2セメスター0名、第3セメスター4名、第4セメスター4名が在籍しています。

 

本専修では毎セメスター(学期)に修士論文発表会を開催しています。第2セメスター以降は全員が構想発表、中間発表、直前発表と合計3回発表することとなっています。今期は第2セメスターの院生がいないため、中間4名、直前3名下記の7名が発表を行いました。その全員が外国人留学生でした。第1セメスターの院生6名は分担して司会、タイムキーパーなどの役員を務めてくれました。

 

 第2セメスター 構想発表 15分 今回なし

 第3セメスター 中間発表 20分 今回4名(中国4名)

 第4セメスター 直前発表 30分 今回3名(中国2名、ロシア1名)

 

本当は提出したあとに、完成発表をやらせてあげたいのですが、夏季(春季)休業中に「口述試験⇒審査⇒修了判定⇒修士号授与」と進み、卒業式で修了してしまうため、完成発表の機会はありません。したがって、第4セメスターの院生たちにとってはこの発表会が大勢の前での最後の発表となります。さすがに提出まで一か月を切っているだけあって、3名ともかなりの完成度のものになっていました。

 

この院生たちは運悪く最終学期をコロナウイルス禍のなか迎えてしまったため、修士論文の執筆に大変苦労していました。最大の問題は大学の図書館が使えないため、先行研究や関連資料の調査にハンディがあったことです。最近はインターネット上で閲覧できるPDFの論文が増えてきてはいますが、研究書や辞書の類はどうしても図書館でなければ見ることができません。

 

創価大学中央図書館では緊急事態宣言解除後に開館し、予約制にて館内閲覧ができるようになりました。私が指導する中国人の院生もずっと日本にいて八王子の大学近くのアパートで修士論文の執筆を続けてきましたが、開館後はすぐに図書館を利用しに久々にキャンパスに足を運んだとのことでした。

 

このようなハンディキャップを背負った院生たちのために、本来は6月末日が修士論文の提出締め切りでしたが、大学院委員会では締め切りの延長が提案され、審議の結果、2週間の延長が認められました。何とかこのハンディを乗り越えて満足の行く修士論文を書かせてあげたいと思います。

 

3名とも日本での滞在歴も長く、極めて流暢な日本語を操ります。そして、各教授の指導のもと、しっかりとした論文構成の修士論文を完成させつつあります。テーマは日本語学習支援プログラムの研究、配慮表現の研究、異文化理解に関する研究と、それぞれの個性を活かした興味深いものでした。この困難な状況でよく頑張ってここまで執筆してきたと思います。修了したら母国に帰って日本語教育の指導者になったり、あるいは日本に残って異文化交流に関わる仕事に従事したりなど、さまざまですが、グローバルに活躍するであろう人材ですので、大切に育てて送り出したいと思います。

 

この日は院生14名、教授8名の合計22名による参加でしたが、事前の準備を周到にしていたこともあってZoomでのオンライン開催はまずまずうまく行きました。教授陣の先生方も自宅にいながら、あるいは出先から参加されていて、教室に集合する通常開催よりも参加しやすかったのではないかと思います。発表者は全員 Microsoft PowerPoint を使用しましたが、発表者を共同ホストに指定しておくことによって、通常開催の時よりも発表者の切り替えがスムーズで無駄な時間がなかったと思います。この経験を今後に活かしていけたらと思います。