東日本大震災の現場を見ておくことは、
自分たちのまちの防災対策の充実に向け、
意味のあることです。
つまり、多くの市町村民の安全を高めることに繋がる意味のあることです。

しかし、それは被災地の人々のためになるものではありません。
かえって邪魔になってしまいます。

でも、映像で見るのと、実際に見てみるのでは、大違い。
百聞は一見にしかずです。
行くべきです。
いつも通りの視察でなく、ボランティア活動をするために。

九州の武雄市長は、
議員も誘って、かき出しボランティアに行かれたそうです。

草加市でも、先月末
平成クラブという会派の5名が、
掻き出しのボランティアに行かれました。

そのうち一人は、
ボットンに足を踏み入れ、膝までまみれてしまったそうですが、
被災地の様々なものが実感でき、
今後の防災対策に活かすものが多かたようです。

被災地に、行って、見て、写真とってブログアップ。
行かないよりは、行って感じることは意味があるとは思います。
でもそれは、地元の住民のため。

通常時の視察ではありません。
先方にも役に立って
地元にも還元できる。
そうしてほしい。

ぜひ、日本中の地方議員の皆さんに
ボランティアをしながら現場を見ていただきたいと思います。
約3万8千人の地方議員がいるのですから、
被災地にとってもありがたい戦力になるなずです。


年齢は関係ないと思います。
平成クラブでも戦闘力の高かったのは、
還暦をとっくに超えた議員さんだったようですから。

ぜひ、各地の議員さんに勧めてみて下さい!
国の予算のものすごい使いきり
その理由は、
・前年度ベースの予算編成
・議会が決算審査をおざなりにしている
・予算額重視の思想
と前回書きました。

そのうち、予算重視の思想、というのが解りにくかったようです。
ですので、今回はそこを書かせていただきます。

実は政治家も、市民の皆さんも、予算ばかりを気にします。
予算がついたかつかないか、
予算が増えたか減ったか
これに一喜一憂します。

当然それも重要です。
でも考えてみてください。
・予算が増えて、事業量が減っている
・予算が減って、事業量が増えている
どちらが良いですか?


当然後者でしょう。
え、でもそんなことあり得ない?
あり得ます。

無駄を省いて、創意工夫でより大きな効果を生む手法を考えて行けば出来るんです。
業者に丸投げしていたものを、自分たちで考えて、一部委託にする。
実績数字をきちんと把握して、その数字に基づいて予算を組む。
市民と恊働で事業展開をして行く。
etc.

問題は、
予算の額ではなく、
何をするのか、どれだけやるのか

のはずです。

私が市長をやっている間、
議会からは、頻繁に「予算が減った」
と批判されました。
いくら中身は増えています。
といっても理解しない(したがらない?)。

そういう議員心理があるので、
逆に予算さえ増やしておけば文句は言われない。
どころか、褒めてもらえる。
そして、余裕を持って仕事が楽にできる。

必然的にだぶついた予算をつくる。
こういう結果になります。


こうして、予算がだぶついているところに
決算での視点が追い討ちをかけます。


予算を残していると、
「こんなに残っている理由は?」
と、決算時に質問されるのです。
その度に説明をして、さらに突っ込まれて、
職員としては手間がかかることになるのです。

一方で、ほぼ使いきっていると何も言われません。
職員に取ってどっちが望ましいでしょう?

頑張って面倒になる。
普通にやって、手間がかからない。
普通の人間なら後者を選ぶでしょう。
そして、使いきりに走ります。


予定の事業を全て実施。
一方で執行の工夫をして予算以下で実現。
その差額を生んで、市民の税を活かした。
あなた達は頑張った。

こういう評価を議員がするようになれば、
使いきりはなくなって行きますよね。

本来のあり方は、
予算においては、額ではなく、予定する事業の内容(質と量)が重視され
決算においては、予定の事業を以下に低いコストで実現したかを問う

という形です。

そうしていくことで、年度末の使いきり、は減少して行きます。

市町村では、財政難から、必然的にこういうシフトが始まっています。
市町村長が自ら主導して切り替えて行くことが多いですが、
議会主導のところも見受けられます。

国においても、増税の前に、ぜひ、決算重視で無駄の排除をしてほしいと思います。
皆さんの税を無駄なく活かして行く為には、
派手な改革だけではなく、
こういう地味な本質改革を実践して行くことが必要なのです。





http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110701-00000085-jij-pol

この記事を見ると、
「税収が1兆8500億円増えたので、それを震災対策の補正予算に全部まわします。」
というお話しであると理解できます。

でも、ちょっと計算してみるとすごいことがわかります。

剰余金(収入と支出の差)が2兆100億円。
つまり支出より、収入が2兆100億円多かったということ。
そして、剰余金2兆100億円のうち、税収増によるもにが1兆8500億円。

つまり、
剰余金2兆100億円
=税収が増えた1兆8500億 + 予算はあっても使わずにすませたお金
ということになります。

その使わずに済ませたお金が1600億円!

2010年の国の予算は、およそ92兆円ですので、
92兆の予算のうち91兆8400億円は予定通り使いました。
残せたのは1600億円で、
予算全体の0.17%です。


ということが解るのです。

ものすごい使いきりです。契約差金もないのでしょうか?
契約差金というのは予算と実際の価格の差です。
例えば予算1億円の工事が90%で落札されたら、予算との差1000万円が差金です。

草加市の場合、約600億の予算で、決算では最低でも15億、多ければ30億の剰余金がでました。(出しました、という方が正解か? 「発注して、差額が出て、予算が余るから何かに使っちゃえ。」ということはルール違反としてきたからです。余ったら、そういうお金を集めて、市全体でやりたくて出来なかったことに使って行くようにしてました。)

こうなる理由は、
・前年度ベースの予算編成
・議会が決算審査をおざなりにしている
・予算額重視の思想
の3点です。

それぞれについて書いて行くと長くなりますので、今回は省かせていただきますが、
ここまで読んでいただければ、「いかに国は予算を使いきって節約していないか」
をご理解いただけると思います。

民主党が政権をとった年の瀬。「予算が組めずにマニュフェスとが実行できない!」とすったもんだしていました。このときに、小沢一郎氏が「何やってんだ!」と怒ったことが、二重権力だ、誰が総理か、などど批判されていました。

でも、小沢氏の怒りは、別に偉ぶっていたのではなく、こういう国の予算の仕組みを熟知した上で、「各省の政務三役がしっかりしていれば、マニフェストを実現するお金ぐらいは出てくる。せっかく政権とって、任せているのだから、ちゃんとやってくれ。」というのが真相だと思います。

実際、そう思って複数の民主党の国会議員に聞いてみたら、「その通りです。」と言われました。

話がそれましたが、今回のこの報道を見て、ぜひ多くの皆さんに、こんなに予算を全部使いきって仕事をしていて、[お金が足りないので増税します。(by 与謝野馨)」という単純な話ではないことをご理解いただきたくて、久々にブログアップ致しました。


ここのところグログ更新していないのに、一定のアクセスがあります。
ありがたいのと同時に、なんか申し訳ないような・・・。

東北の往復と、こちらでの片付け準備。
課題解決への思索や情報収集。
草加の仲間とのざっくばらんな意見交換。
ご案内いただいた草加での会合への参加。
全国首長連携交流会の運営協力と議論の整理。
等々・・・。

こんなことをしているだけで、それなりに慌ただしく、
ブログ更新おろそかになってしまっています。

一方で、書きたいこと、お伝えしたいこと、皆で考えて次に向かって行きたいことが、溜まり続けています。

これから、少しずつ、そんなことをアップして行こうと思います。

せっかく訪れていただいていますので、「変わってないなぁ」というよりは、「へー、なるほど」と思っていただけるように・・・。



統一地方選挙前半戦のときに書きましたが、
さらに「市町村議会の議員の政策の違い、投票にあたっての判断がつきにくい」との意見を伺いましたので、少し補足致します。宜しければ、このブログの、「統一地方選挙に関して4、5」も参照いただければ幸いです。

市町村議会議委員の選挙においては、選挙期間中、公式に一般に配布できる印刷物はありません。HP等の更新も規制されています。「候補者の見解をWEB上で比較できたら良いなぁ。」と、私たちは思いますが、公職選挙法上で来ません。(改正が議論されて入るが、現状変更は無い。まあ、今の制度で勝ってきた人達(国家議員)が改正の議論をする訳ですから、相当な圧力が国民からかからない限り本格的なネット解禁にはならないでしょう。)

ですので、宣伝カーを流すこと、街頭演説、選挙管理委員会が発行する全候補者一覧の選挙公報、これだけしか判断の材料はありません

そして、とても狭い枠しか与えられないため、選挙公報は概ね、「福祉、子育て」「環境、まちづくり」「教育、スポーツ」等々、どれをみても結局同じような内容で見分けがつきません。

本気かどうか、見極めるのは困難ですが、一つのポイントは、財源に触れているかどうかです。あれをやります、これをやりますと言っても、「税収が伸びない中でどうやってやるのでしょう?」。書いていない=本気ではない、とは言い切れませんが、書いてあればかなりの確率で本気の候補者であると言えます。

「政治家は何をしたいかでしょ?」という反論もありますが、それだけで実現できた時代は、十数年前に終わっています。(それが認識できていない議員もおおいですけど…。)「医療、福祉、子育て、環境、まちづくり等々、本当に新たに充実させたければ、何かを変えることでお金を生み出す必要があるのです。ですので、そこに触れている候補者は、本音はともかく有権者に受けようと書いているのではなく、本気でやろうとしている可能性が高いと考えられるのです。(もちろん前記以外に、原発凍結!など財源のいらない政策もあります。)

ほんのわずかな違いですが、選挙公報をよーく見ていただいて、醸し出す雰囲気、本気度の違いを感じて、より良い候補を選んでいただければ幸いです。