著者から、論文を学内便でいただく前に、紹介しちゃうゾ~。
うわさに聞いていたアユモドキの論文が発表された。
昨年の11月に投稿されて、今年の3月に受理されて、日本動物学会の雑誌8月号に掲載された。
その雑誌が、今日、届いた。
この雑誌の中の、
Abe, T., Kobayashi,I., Kon, M., and Sakamoto, T.
Spawning behavior of the kissing loach(Leptobotia curta)
in temporary waters.
Zoological science. Vol. 24: 850-853 (2007)
に掲載されている。
大雑把な話、
アユモドキは、水路が増水することにより水没する陸生植物の草むらの中で、一匹のメスと1,2匹のオスとであちらこちら泳ぎながら、時々、立ち止まっては3-20秒くらい体を震わせて、卵をばら撒くように産卵するそうだ。この産卵行動は午後遅くから夜にかけて3-5.5時間くらい行っているらしい。
著者らは、この一時的にできる陸生植物の茂る水域が決定的な引き金になって、アユモドキが産卵行動をとると書いている。また、産卵場所の選択と24時間ほどで卵から孵化することは、1時的にできる水域を利用することへの適応だと結論している。
う~ん、なぞが多い天然記念物で絶滅危惧種のサカナだ。そのうちに、この産卵行動の引き金になる物質や、アユモドキのからだの中でのホルモン分泌のタイミングとオスメスの個体の性熟の制御、回遊性の必然性など解き明かしてくれることを期待しちゃうな~。
期待はしませんが、著者からの訂正コメント、追加コメントも望みます。
さて、そんな難しそうなことはさておき、
アユモドキって、キスするドジョウ( kissing loach )なんだね~♪
ロマンチックなサカナじゃん。まだまだ、神秘のサカナだけど・・・。