いやタイトルそれ三十一文字（5・7・５・７・７）じゃなくて都々逸（7・７・７・5）だよね😅

畑野ライ麦著　巻羊イラスト「恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい」ＧＡ文庫より。

作者は新人さん。テーマは三十一文字、すなわち短歌。

👇のマンガもありますし、これは若者に短歌ブーム来てますかね_φ(･_･

物語は冒頭、１１月３日、文化の日の夜。LINEで歌を詠む若い男女二人。男子は高校生であることが明示されます。歌のテーマは「恋愛」。

直接そういう記述があるわけではありませんが、二人の会話から、恋愛関係もしくはそれに近い二人なのだなと想像できます🥰

プロローグが終わると時は少し巻き戻り９月１日。その男子高校生の名前は大谷三球（さんた）。

名前の通り（？）高校球児、でした……😢

中学時代に活躍し、期待して期待されて入学した高校野球部⚾️

勢いこんで試合に臨んだ新人戦。活躍すれば一年生でレギュラー入りも夢じゃないその試合で気合いが空回りし眼球に打球が直撃。

高校球児としては致命傷ともいえる長期休部（奨学生の取り消し）という結果。

進路を見失い途方に暮れる毎日。いわゆる青春の挫折ですね🥹

それでも心機一転、新しい目標を見つけようと入った図書館。

彼はそこで涙を流すひとりの少女と出会うのでした。

泣いていた少女の名前は涼風救（すずかぜ・すくい）ちなみにスクイズとひっかけているのだと思いますが。

泣いた理由は聞かずに、自分のことを話すサンタ。サンタの悩みを聞いて、それならば私が短歌を教えようというスクイ。

ここに二人だけのオンライン歌会が始まるわけですが、いうまでもなくプロローグに出てきた男女二人はこの二人👩‍❤️‍👨

ここからそうなっていくのかなと思わせますが、既に高校生のサンタには、まだ中学生のスクイは恋愛対象にはならないようでした。

野球の穴を短歌で埋めるべく、サンタはスクイではなくネットで見つけた文芸系VTuber 詩歌マリアが語る、分かりやすい短歌論にのめり込んでいきます。

ある日、サンタはその詩歌マリアの正体が同じ高校の先輩月島手鞠であることに気づいてしまいました。

サンタは手鞠に恋をして、手鞠もまたサンタのことが好きになります💕

まさかとまではいかないまでも、そうきたか、という展開ではあります😅

この三角関係、とサンタの短歌は果たして一体どうなっていくのやら……まあ、プロローグを見れば結末だけは最初からわかってはいるわけですが、どうやってそこまで持ってくの？！

劇中の短歌も良い作品が多く、また語られる短歌論にもふむふむとうなづく点が多くありました。

初めて短歌を作る、あるいは作りたい中高生にはかなりおすすめです。短歌に興味がない人もちょっと作ってみたくなるかも。

短歌はたったの三十一文字。「短っ⁉️」という印象を受けてしまいますが、煎じ詰めれば「好き」の二文字をうんと引き伸ばしているといえるかも。

男女、短歌に野球、進路に恋愛。好きも好きだけじゃ済まないからこそ人には歌があるのでしょうね。

人間、めんどくさくて、愛おしい😍

なお続巻も１２月ころ発売予定と。

畑野ライ麦著 巻羊イラスト「恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい」ＧＡ文庫