我が家によく遊びに来るオバサンがいます。
そのオバサンが言う。
「うちのビデオ、巻き戻しができない。だから一度見たらあと見れないの」
「そんなばかな。そんなことないよ!あるはずがない。反対矢印のボタンがあるでしょっ!」
「あぁそぅ? でも何回もやってみたけど巻き戻すができなかったわ」
ちなみに、そのビデオデッキは息子さんからプレゼントされたものだそうです。
そして、話題は20年前の『息子さんとの話し』へ。
普段、息子さんとの会話はご主人を経由した間接的な会話が多かったそうです。ご主人が無くなってからも口数の少ない親子関係が続いていたそうな。
…電気関係の会社に勤めていると聞いた母親は息子に、
「どんな仕事をしているの?」
「電気回路だよ」
「でんきかいろ?(懐炉)」
「そうだよ」
「ふ~ん。油じゃなくて電気でねぇ。へぇ~便利になるね」
「んッ…?!」
息子さんはあきれてそれ以上説明しようとはしなかったそうだ。
この親子、最初から
回路≠懐炉(カイロ)で「話の回路」があってなかったんだね。