若者で広がる、工業高校離れ
今や就職先はコンビニ!?工場減り人気離散
2014年03月13日 東洋経済 記者

内需縮小、海外現地生産拡大などで、日本から工場の数が減っている。1983年に44.7万カ所あった事業所(工場)数は、2012年には21.6万事業所と半減した。と同時に見逃せないのが、実は、本来なら工場を支えるであろう、若者の存在である。

かつて、ものづくりの現場は、ベテランが新人に「巧の技」を伝承していた。現在は工場に若者の数そのものが少ない

それを端的に表すのが工業高校の数だ。工業学科のある高等学校の数は、ピークだった1965年の925校から、13年には542校と、4割以上も減った。工業高校の生徒数も、ピークの62万人から26万人へと、何と6割弱も減。ラグビーの伏見工業高校、野球の愛知工業大学名電高等学校など、工業高校にはスポーツの名門校が多いが、そういった一部の例を除けば、工業高校の人気は確実に衰えている、と言ってもいい。

工業高校の授業では、通常、「工業技術基礎」や「機械工作」「製図」などを学習する。旋盤や溶接などの実習を通じ、ものづくりの基本を叩き込むのだ。「2級技能士」「3級技能士」などの国家資格取得を奨励する学校も多い。
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構造的な問題なので、ある意味仕方がない。

誰もババを掴みたくないからだ。哲学があれば何とか持ちこたえられるだろうが、茹でガエル状態の今の経営者は10年後にどのような姿になるのかが想像する力がない。

私が30代の頃、ある大手小売業の商品企画兼開発マーチャンダイザーだった。
アパレルや雑貨を開発し、仕入れて販売する仕事だったが、地方の縫製工場や染工場など菓子よりを持って数多く訪問し、現場の人達と挨拶を交わした。
そしてモノづくりの工程やボトルネックなどの知識を得ることが出来た。

「自分が携わっている製造物が大きな会社の大事な商品になるんだ!」

これがきちんと伝わり、大きなモチベーションになる。

今の大手企業はそんなことしているか?

生産管理担当者に任せっきりで、電話だけのやり取りをしているのではないか?

それでは製造現場での課題や問題がフィードバック出来ないし、サプライチェーンが契約書と金の話だけになり、実際の良いモノづくりに繋がらない。

アメリカはイナゴだから、こんなことをやらない。だから欠陥品だらけで細かなところに気の利いた商品が出来上がらない。
文化として無理なんですよ。

それを日本がマネなんてしたら、最も良かった部分が無くなるのは目に見えている。

大手の社員は自分に大きな企業の看板があるのだから、取引面や世間体だけに看板を使わず、こういった10年後の製造環境をきちんと見据えてその看板を利用して欲しい。

また、こういったことが企業内部でもきちんと伝承・学習されていないところに製品の問題点が繋がっているのではと考えられる。

こんなことは誰も教えてくれないのだろう。金の設け方やごまの擦り方ばかり、部下に勉強・伝承させているのだろう。

日本のモノづくり自体がもう過ぎ去った過去なのだろうか。