憂楽帳:戦争
毎日新聞 2013年08月15日 12時37分

 故郷の山形にある墓所に幼子の小さな石像が立つ。旧満州(現中国東北部)で亡くなった父の弟の遺骨を、祖父母は大切に持ち帰り、ここに葬った。

 日米開戦の2年前、一家は永住する覚悟で満州に渡った。ソ連参戦で祖父が応召し、祖母は4人の子を連れて現在の北朝鮮に逃れた。その3日後が68年前の今日。敗戦と共に疎開は抑留に変わる。半年後、厳寒と飢餓の冬を越して満州に帰り着いた時、4歳の末子は見る影もなくやせ衰えていた。

 祖母の手記に亡き子を思う歌が収められている。「美しき花を供へてをろがめど児(こ)の魂はいづくにて見む」

 コソボ紛争から6年間、戦争報道に携わった。戦火のパレスチナやイラクを歩き、普通の人々に計り知れない犠牲を強いる戦争の本質を幾分か、自分のものとして理解するようになった。

 戦争は遠い歴史ではない。目の前の政治が生む現実だからこそ避けねばならない。今、戦争を知らない世代が想像を膨らませ、勇ましい議論を振りかざしている。どうか立ち止まって冷静さを取り戻してほしい。【井上卓弥】
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何を言っとるんだお前ら。
とっとと潰れろよ、便所紙。