景気動向判断の中には、企業の営業利益指数がある。当然率だから売上が下がっていても率が上がれば、上向いたように見える。
実はここ数年、海外からの投資を呼び込んだために、
日本企業も利益を重視することが定着してきた。
しかし、この利益、費用のシフトを表す。
企業の営業利益が改善=当然、利益確保に最も手っ取り早い施策は、
人件費、外注費の抑制だ。
さらに企業が収益を上げても我が国のGDPには関係がなくなるだろう。
設備投資は海外向けがメインだし、
日産マーチのように日本国内での需要商品も海外で生産してしまうからだ。
企業は収益をあげるが自国は収支が悪化する。
国内での雇用は増えないため、税収は見込めない。
言わばアメリカと同じ構造になるのではないだろうか。
この方向である限り、雇用は増えない。
就職が困難な学生には申し訳ないが、
この構造、企業心理とトレンドから志向されているために
中々、改善はできない。
さらにもう一つ、
GDP統計であるが、これは製造や資源開発などにより生み出したマクロ統計のため、
中古、リサイクル資源による需給ギャップの平準化が盛り込まれていない。
これだけ中古車、Book-OFFやオークション、中古物件などの流通が結構な規模まで成長していると、
GDPの統計と消費そのものの統計に多少のズレが生じるのではないかと。
統計の捉え方など、新たなビジネスモデルやリサイクル循環型の社会になると、
見方や用い方、および結果の判断など多少変化させざるをえないのではないか。
いずれにせよ企業の利益率上昇は雇用に結びつかないという構造に変化してきていると考えられ、
雇用創出による安定的な消費を確保するのには、企業の営業利益は直接影響しなくなっているのではと多少疑問に感じている。