2010年8月23日付けの日経新聞夕刊のコラムに
「内向き」と題したJR九州会長のコラムが掲載された。
内容を要約すると、
■最近のわが国の若者は内向き志向ではないか?海外に出ようという意欲はアジアの各国と
比較して低い
■海外旅行に行きたいという若者が減っている
■ボーダレス時代の国づくりには世界で活躍できる人間が多く必要だ
という内容なんだが、その後の文章で、
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私といえば、旧国鉄の留学制度のおかげで、
1973年から75年までの2年間フランスに留学できた。
パリ1大学のIAEというビジネススクールだった。
・・・中略
基礎学力があれば、言葉の壁は何とかなるものだ。
むしろ論理力や数学の力が大切だった。
JR九州でも毎年、米国の経営学修士(MBA)留学に2人の
社員を出している。
皆、立派にやって帰ってくる。
若者の可能性は無限大にある。
要はチャレンジするか否かであろう。
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とコラムは結んでいる。
私はこのコラムを読んで少なからず、腹が立った。
若者は行きたくても経済的理由でいけないのだ。
ましてや中小企業など留学費用の補助もできない。
そんな中で、留学というのは企業を退職してから行かなければならないのだ。
大赤字を計上し、赤字をタバコの税金で補填するような超ミラクル再生のおかげで、
今のJRが存在する。
国民の血税を使って、赤字を出して、付けを国民に回して、
そして大事故を起こしたりしても潰れない。
自分のところの社員だけは、特権階級のようにMBAに留学させる。
本当にこれでよいのか?と感じた次第だ。
このような一般私企業の実情もわからず、MBA自慢にしか聞こえないコラム、
何ともこの感覚がJR感覚なのだろう。
MBAを取得した社員ほど、とっとと会社を辞めて
高額報酬の企業に転職している。
つまり個人の箔付けに会社の教育制度を巧く利用し、
踏み台にしている人間を
私は多く見てきたのだ。
誰が金を出そうとMBAはMBAなのだが・・。
若者が海外に出たくないのではない。
赤字を垂れ流しても首にならない企業で、職を確保したまま
推薦でMBA取得に行かせていただけるのなら、誰だって行くのだ。
といいつつ、社会的に職を与えるという立場も維持しておりますが・・。
それは以下の記事。
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JR東海、11年度は1001人採用 過去4番目の高水準
2010/9/29 16:16 日経新聞WEB刊
東海旅客鉄道(JR東海)の山田佳臣社長は29日の
定例記者会見で、2011年4月入社予定の採用人数が1001人に
なることを明らかにした。
3年度連続の4ケタで、過去4番目の高水準という。
リニア中央新幹線の東京―名古屋間2027年開業に向け
「早めに設備の準備や人材の育成をする」(山田社長)のが理由。
ただ、来年度以降の採用人数は定年退職者数が減少することから、
3ケタ台に落ち込むと見られる。