「国の借金」意味分かって使ってる?

…日経ビジネスコラム「三橋貴明 暴論?あえて問う!」2010/08/17


日本の財務省やマスコミ、評論家、それに政治家などは、

好んで「国の借金」という用語を使用する。
その割に、彼らはバランスシート(貸借対照表)について

全く理解していないわけだから、実際、困ったものである。


借金とは「人から借り入れた財産」を意味し、

バランスシートの負債項目に計上されるべきものだ。


「国の借金! 国の借金!」などと騒ぎ立てるのであれば、

常識としてバランスシートについて理解していなければ

ならないはずだが、現実はどうも違うようだ。

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私は国の経済をバランスシートで考えるのは危険ではないかと

考える。


これは私自身が、経済に疎いのだろうが、


①借金の返済は、黒字で行われる。つまり返済は非常にスローであるということ。

お国が経済的にドカッと儲けて、一気に返済することはありえない。つまり膨らむこと自体、

非常に長期にわたり手かせ足かせになるということ。


②対外純資産について

対外純資産の内訳が不透明だ。(勉強不足かもしれないが)

・資産の評価は誰がしているのか?

・資産にはリスクはないのか?(リスクマネジメント観点から)

・資産を一度に換金できるか?(流動資産なのか、長期固定資産なのか)


以上の観点から見ても、

為替で資産評価はいくらでも変化する。

おまけに、自国の国益のみを追求し、勝ち逃げしたら

全世界からバッシングを受ける。


周辺諸国に気を使って神社の参拝さえ出来ない

お国が、自国のことだけを考えて対外純資産を

流動的に換金できるか?出来ないだろう。

黒字倒産と取り付け騒ぎの構造にもなる。


不安を今以上に煽る事はあってはならない。


しかし、リスクマネジメントの観点から考えると

資産をそのまま評価できないことなんていくらでもあるのではないか。


土地や建物なんて、時価で評価できても、

いざ、売却しようとした時は、

みんなが売却に走る。

そうすると値崩れを起こし、たちまち評価減だ。

勿論、世界が一時的に流動性を失った時、

売ろうと思っても誰も買わない。=一時的に価値を失うのだ。

クレジットカードの与信が100万円あっても、

在来線の切符が買えないのと同じ。


今でこそ500円玉はその価値があるが、日銀が振り出した当初は、

自動販売機で100円の缶コーラが買えなかった。

これは、500円玉はある瞬間は、500円の価値がないとみなされるわけで。


そのような考え方を適用すると、

流動性は無いが、リスクは時間軸も加わり、あらゆることが想定できる。

それこそが、今現在でも評価する価値が変化している証拠ではないか。


マクロ的には、黒赤相殺されていき、結果的にあまり変化しないという

ことが多いのだが・・・。


しかも資産の償却にあわせて、いろいろな資源とのバーターになっている

言うこともありえる。つまり、他国と口約束で資産は目減りしているが、

帳簿上の評価は、償却されていないこともあるだろう。


私は、バランスシート的な単純発想で、

自国の経済が語れるのかどうか、そこが疑問だ。


勉強しないといけませんね。