日経新聞の2つの記事から、今後を推測してみると・・。


■2010/7/5 日経新聞夕刊1面

上場企業、実質無借金5割に迫る・・・前期末投資絞り手元資金増


一旦、手元流動性の確保に入った。

これは株や債権、設備投資などの抑制を示している。

不確実な時代で非常に消極的な経営心理をあらわしていると考えられる。

株主から集めた資本や内部留保をすべて現金や流動性の高い資産で

もっているので、何かあったらすぐに投資ができるようにするためだ。


ただし、“何か確実に儲け話があったら”という意味になる。

経営者で一番いってはいけないこと。

“何か良い儲け話はないかなあ!”だ。


そもそもそんな話は転がっていない。

外国のハイエナ金融やハゲタカファンドにまた騙されるだけなのだ。


株主から集めた資金を将来の成長分野に投資!となると

インドや中国、ブラジル、ロシアしかないのだが、それにはリスクが伴うため、

様子見なのだろう。いずれにしても国内にはまったく資金が流動せず、

日銀がジャブジャブに刷った円を大手銀行というフィルターを通じると、

お金の要らない安全な企業にしか流れ込んでいないことを示す。


完全需給のミスマッチだし、これでは国内の雇用は生まれない。

ご愁傷様という傾向だと感じてしまう。


これなら、別に人口が増えても仕方がないですよね。

優良企業のご子息、ご令嬢がみんな金持ちのアホボンならば、

いっぱいお金を使ってくれるのだろうが、これがまた、

使うお金に行き先は、高級外車、高級海外リゾート、海外旅行

高級外国ブランドと相場が決まっている。(笑)


■2010/7/6 日経朝刊1面

景気持続への試練 1・・・・国を選ぶ企業


投資拡大、日本に向かわず。


これは少し前にも海外で設けたキャッシュは、また海外に投資される羽目になり、

内需は恩恵を受けない。トヨタでさえ部品工場を海外に移転した!

という記事を書いた。日経がようやくこの記事を掲載したみたいだが。(笑)


国内の拡大・強化する比率は、縮小・撤退とほぼイーブンだ。

大半が維持。つまりランニングコストだけで上積みはない。

既得権益だけで増えないのだ。家電部品、システム部品、自動車は、薄日が差しているが、

それで得た恩恵はすべて海外に投資されたのだ


国が借金を行って特定の業種だけをえこひいきし、

(だから“エコヒイキ”減税と呼ぼう!)エコカー減税を布き、

国民が払ったなけなしのお金を得た特定企業利益は、

買った国民に感謝の気持ちを込めてフィードバックする

のではなく、中国人や海外に恩恵をもたらした事になる。

直訳するとこういうことだ。


国内に残ったのは国債という借金だけで国民が付けを払う。

この国債のお金が特定メーカーの利益に摩り替わるメカニズムだ、

ということを理解しなければならない。


そしてその国債を中国が買い増ししている。

やがて中国にも米国にも足を向けて寝られなくなり、

蝙蝠国家・古代のカルタゴのような運命をたどるのだろう。


メキシコ湾の原油流出事故のブリティッシュペトロリアムは

三井に応分の事故負担金を払えといってきているらしい。

ロシアのガスプロムの件といい、海外投資でのリスクは、

官僚が国益と考えて守ってくれないですしね。