ここ2、3年、閉塞感があるなあ!この閉塞感は一体何なのだろう?と、ずっと考えていたが、朝日新聞2010年6月6日の朝刊、求人パブ広告だが、ヒントを得られる記事があった。
建築家である團紀彦氏(だん・のりひこ)のコラムだ。それによると、
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「自己ブランド化は虚しい」と題したコラム、
閉塞感が強くなると仕事の本質を見失う
建築学科を出て一生懸命に取り組んでいたのに、やめてしまう若い人が増えています。
私たちが学生のころまでは「あんな建築家になりたい」と希望を放っている先人の存在があり、それがモチベーションの源でもあったのですが、現在は、個人の建築家が自分らしい発信で既成概念を打ち破っていきにくい。
大小の企業も含めてマニュアル化してきたために、個人の魂とか裁量が受け入れられなくなったのだと思います。
それが仕事の現場であきらめ感を生んでいるように感じられてなりません。
・・・・・・・中略
さらに私が
懸念しているのは、建築家を始め、多くの作り手が欧米の雑誌とかメディアに取り上げられるのを終着点にしていることです。
うまく自分をブランディングして、流れに乗って行こうとしている。
そんな注目のされ方にあこがれると、いつも人からどんなふうに評価されているかと上目遣いになっていく。そんな仕事は決して尊敬を集めないのですが。
・・・・・・中略
納得できるモチベーションをつかんでおけば、おそらく最も強い原動力としての一生の仕事を支えるでしょうね。
それこそが、その人だけのリアリティなのです。
・・・・・・中略
あなたのリアリティは、あなたにしかわかりません。周囲に同調することなく、たくましくつかみに行ってください。
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本当に私もこれだと思ってしまった。
これに輪を掛けるのが、マスコミの「見る目」が無い体たらくです。
本当に実力のある人間は山ほど居るのに目を向けていないんです。
真面目に一生懸命やっても報われないというのが、これに重なってきている。
つまり、取り上げるマスコミの目が節穴であり、○○カリスマとか持ち上げますが、
裏を知っていると到底カリスマになりえない実力だったりするのです。
若手経営者と記事に載せたり、若手上場企業の云々などと出ている方は私の知っている限り、
在庫の飛ばし、循環取引、不正支出、ホールディング会社のトンネル化など、表ざたに出来ないことを目の当たりにしてきた。
しかし、「勝てば官軍」が横行し、売名行為のためにパフォーマンスをしてしまいます。
実は閉塞感は、「マニュアル化」と「軽薄さ」、「見る目のなさ」から来ているのでしょう。
自分が何をしなければならないのか?見つめなおすべき時代だと思う。