全国の主要都市で3年後メド

2010/4/30 2:06 日経新聞WEB刊

インターネット通販サイト最大手の楽天は、今秋から自社の物流拠点整備に乗り出す。3万2千以上の店舗が出店する仮想商店街「楽天市場」の商品を、全国の主要都市で即日配送できる体制を目指す。サーバーだけを持ち、出店企業を束ねるネット通販企業の身軽な事業モデルを転換。自社で物流インフラを抱えることで、消費者や出店企業の利便性を高める。ネット通販世界最大手の米アマゾン・ドット・コムに対抗する。

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日経新聞でさえ、楽天を通販サイトと言っているから面白い。

楽天は流通商品に責任を持っていないんだから、通販サイトではない。


厳密に言うとEC-インフラASP事業で、「ららぽーと」や「イオンモール」と同じディベロッパー事業。

ただ、リアルの「イオンモール」と「ららぽーと」のテナントに訪れたお客様は、テナントの資産となるが楽天の場合、顧客資産だけは楽天のもの!という都合の良い形態をとっていただけ。


自社で物流を確立するためにトヨタより役員を招聘し、リアルな作業スキームの確立、効率化を検討してきたのも事実だ。


しかし、これもまた大きな問題がある。


①物流に納品された商品の良品不良品の判定。検品・検数の作業負担。

②大きさが区々の商材を単品格納するためのスペース予想。

③物流作業の人員レイバーマネジメント


など、リアルな作業負担が大幅に増加し、これはバーチャルと比べても課題解決は思ったほど容易なことではない。

そんなことぐらい分っているぞ!と言われそうだが、

トヨタの半製品は納品時点で非常に厳しい基準をパスしたものだから簡単だが、

楽天のような中小企業や地場企業、在庫ブローカーみたいな意識がバラバラの企業集団で、かつ消費財の場合は一筋縄ではいかない。


特に①の良品不良品の責任の所在。

物流サイドで、納品時に梱包などが潰れてしまったり、汚れてしまったりすることによる不良品の責任の所在。これはメーカー責任にはできないでしょう。

まあ、amazonでもやっていることですが。


amazonは書籍やCDなど大半が買取であり、メーカーなどから買い取っている。

買い取っているため物流倉庫に一旦入庫した商材は良品であり、メーカーには返品できない。

買取でないのはマーチャントビジネスだけ。


書籍などは蛍光灯でも日焼けしてしまうので、不良品だといわれればそれまでだ。

訳有り商品ばかり強化になってしまう。


企業家として勇猛果敢にチャレンジしていくことは非常に好ましい。

しかし、これからは責任の所在を成長の勢いで凌駕していくというフェーズは過ぎ去ったかもしれない。


3年後、5年後のamazonとの真っ向勝負が楽しみだ。