昨日は取締役と久しぶりに名古屋出張。
私も取締役もIT企業のボードを勤めた経験が有ります。
そこで話し始めたのが、IT企業の経営基本管理とガバナンス。
私がサポートしていた企業も含め、上場を目指そうとしている企業でしたが、
基本的に「物理的なモノをBtoC、BtoBに関わらず届ける企業」は、
フロントの手段としてWEBやモバイルを選択していようと、
小売流通業、販売業になります。
つまり、モノを評価、原価管理、発注管理、棚卸管理は必須条件であり、
いくら仕入原価率が売価の10%以下でも、モノとしての管理業務が付きまといます。
しかしフロントエンドがITであると
何故かモノの管理や意思決定などのマネジメントを疎かにしていても上場できると勘違いしてしまうようです。
保険業のように空気を売ったり、ゲームのダウンロードのように配送費が掛からない形態ならいざ知らず、物理的にモノを届ける企業になれば、売上計上の定義、仕入れの定義、リスクの定義、それに合致した意思決定プロセスとガバナンスの仕組みと運営能力が重要となります。
実はそんなに利益が得られないのですよ、物理的な流通を行っている企業というものは。
しかも仕入や買取でキャッシュフローが必要だし、物流インフラのシステム投資も必要なる。
上場する際にこのわきまえが無く、他のIT企業の事例見たく成長の絵を無理やり描こうとして、粉飾などの悪に手を染めてしまうのです。
それこそ、「在庫の飛ばし」売上計上をするのにダミー会社に在庫を売り、翌期に買い戻したり、循環させる言わば、如何わしい販売を平気で行ったり、
発注書を切ってから、担当者が手前勝手に原価のマスターを変更できるシステムであったり、
もう取引や基本的な管理の基本がいい加減な形式が多かった。
事業と言うものは地道で、経営の哲学やマネジメントの能力が必要になります。
間違ってもオーナーだけが月収1,000万を得ているのに現場社員が年収300万なんてことがあれば、リーダとして歪な労働分配となり、失格です。
流通業は流通業であり、フロントエンドがWEBでも物の管理は厳格なシステムが必要であり、宣伝費収入モデルやWEB2.0モデルの企業とは原価や経営指標が全く違ってきます。
味噌もクソもITとして管理がいい加減でも上場できる時代は数年前に過ぎ去りました。
証券会社も売れない花魁に厚化粧はしてくれません。実力の時代に戻ってしまった。