マクロから見て、小売業は現状のオーバーストア状態を緩和するため、店舗のスクラップアンドビルドや業態の転換などを加速させるという動きに出ている。


その結果、収益性が高くなり株価が安定するため、海外への出店投資を加速させる方向に向かっているようだ。


しかし、企業が勝手に出店を進め、オセロゲームのようにドミナント戦略を声高に叫び、そして収益性が悪いから店舗を閉鎖する。この行動には少し疑問を感じる。


論理が消費者不在なのだ。


店舗が競争し、価格を安くすることは消費者のためだ!といわんばかりに経済学者や経済評論家は褒め称える。

つまり、競争することにより価格が落ちることによって消費者は安く手に入れることが出来るのだ!という市場原理と自己責任論だ。


しかし、今の消費者は

■不味い100g750円の牛肉

■美味しいけどアメリカ産の840円の牛肉

■どうせ食べるなら適量を美味しくの和牛100g1100円の牛肉

店舗は誰をターゲティングし、これだけのぶつを選ばせるのか?

おそらく用途で選ぶのだろうが、しゃぶしゃぶをするのなら、100g1100円を選ぶはずだ。


安けりゃいいのだ!という論理に消費者は、なびかない。


しかし、競争に負け閉店することは、さも来てくれない消費者が悪いから閉店するのだ!いや閉店してやるのだ!と言わんばかりの考え方が伝わってくるのが不思議だ。


コアのファンはいるのだ。ただそれをよく吟味せず、マーケティング努力もせずに本部バイイングやMDに任せきりにして、コアのファンのユーザーを切り落としていく。


店舗の閉鎖は良いが、せめてその中でも利便性を感じ利用していた高齢者や車を運転できないユーザーなどは、宅配スーパーなどの顧客への供給努力は視野に入れるべきではないか。


自分達が店を出し、自分達が努力せずにダイナミック論で品揃えし、利益が出ないから顧客を切り捨てて閉店する。

後はお好きなところでお買い物してください、お客様。


このような考え方は、どうなんでしょうね。


マーケターの皆さんはどうお感じになりますか?