ここの所、元気の良い流通などの情報を収集していると、地域の中堅中小スーパーの元気がすこぶる良い!

という情報が多く入ってくる。


ヤオコー、関西スーパー、新鮮館(エース)などだ。


彼らはGMSとの競合に打ち勝つため、

■地産地消型で生鮮3品が強い

■生鮮3品+惣菜が充実している

■オーナーが消費者心理を直感で理解し、現場施策に対しドラスティックな手を打つ(変化に柔軟)

■ある程度、権限を店舗に委譲

■物作りと生産現場をよく熟知しており、小ロットPBなどの製造方法を熟知している

■決して安いばかりのMDではない


などの納得する特徴が浮かび上がる。


消費者は、大量に店に並べられた商材は返って購入意欲を減退させてしまう。

全国に100点以上にもなると農産物などの安定供給は、結果的に大雑把なものとなってしまい、消費者にとっては魅力の無いものになってしまっているのだろう。


また、いつ行っても安い、品切れしないはいつでも買える=今日買わなくても良い 

という意識となり、消費者が今日買って食べたいという気を起こさなくさせてしまうのだ。


中堅・中小スーパーは、小ロットで限定感を出し、しかも費用対効果感が高く美味しい食品とは、を追求しているのだ。

購買調査においても、購入するものを100%事前に計画し目的を持って購入する主婦は皆無だ。

30%の目的買いに対し、70%もの来店時の購買決定商品で構成されているといわれているため、上記のような目で見てその気にさせられる商品力が、インストアマーチャンダイズの力を上回っているのだろう。


GMS大規模店舗は、PBとして加工食品のラインアップを充実させているが、

やはり生鮮3品と惣菜などの距離感が消費者には遠く感じられているのではないか?


そのために、この消費減退時代に買ってみたいと思わせる品揃えの力が

マスマーケティングとマスマーチャンダイズによりスポイルされており、

来店人数減よりも、受注単価を押し下げているのが伸び悩みの要因と考えられる。


中堅・中小スーパーにはID-POSを中心としたインストアマーチャンダイズや分析力などのデータ活用が

大手GMSより優れているとは決して思えない。


しかし、

すぐに商品化できる専門知識を持ち合わせている社員に権限を委譲しているオペレーションと強烈なオーナーの顧客志向により、科学的マーケティングうぃお凌駕しているのだろう。


無論、企業が成長すると大手GMSと同じ道を辿らなければならなくなるのだろうが、

マーケッターであり、一消費者である私は大規模を目指すより、限られた顧客に満足する利益体質と顧客満足ありきのスーパーとして存続して欲しいと思う。

それは究極のCRMではないかとも感じている


ファッションウェアや付加価値買回り品を集客目的とした大型ショッピングセンター内のアンカー店舗が、

GMSの場合でも、ファッションウェアや付加価値品に購買意欲を掻き立てられない現在、

誰が生鮮を購入するために、車でショッピングセンターまで足を運んで買い物をしたいと思うか?


ファッションウェアや買回り品に誘引されてはじめて効果を発揮するGMS。

食材主体ならば、どうしても客足も鈍る。


それよりも、自宅の身近にあり、肉、魚、野菜、惣菜、ちょっと贅沢な焼酎が個性を持って品揃えされている中堅スーパーに、どうしても足が向いてしまうのは、私だけだろうか。