この2、3年は、データベースマーケティングやデータマイニングに正面から取り組んできている企業を少なく感じる。
いや、これまでも本気で取り組んできた企業は少ない。
特定部門のスタッフが取り入れようと努力してきたが、肝心の経営者が理解していない。
結果的に行ってきたことは、システムの課題投資だけだ。
取り扱えもしないデータデータ量を貯め、貯めたデータの質にはこだわらないために、いざ使おうとした際に時間や余計なコストが掛かってしまう。貯めるではなく溜めるだ。
もうひとつ大きな問題は、依然、売上至上主義が常識となっていることだ。
売上を向上させるには、競合のシェアを奪うこと。
すなわち競合企業の職を奪ったり、所得を奪ったり、日本全体では何の役にも立たないのだ。
売上が大きくなって、喜ぶのは銀行と金融だけ。保有している法人口座の取扱額が増加するからだ。
しかし、売上を伸張させるために、出店、宣伝など費用を使うと、利益は限界点からマイナスとなるのだ。
つまり、従業員の給与が減るのだ。
銀行や証券などの金融に評価されたいがために社員の給与を減らしている構造だ。
グローバル社会で戦うには、先ず日本で打ち勝つことが重要だ!なんて思っている経営者が居たら、バカにしてしまうのだが。
内戦に疲弊してしまい、海外企業と戦う体力が残っていないのではないか?
ここで、話を戻すとデータベースマーケティング、データマイニングの技術は、
■売上至上主義ではなく、利益の最大化を目指すことにある。利益の最大化を目指すと翌年度の収益源を疲弊させるために、最適な利益性を確保することにある。
■独自性と自社の強みのリソースを最大限拡張し、重要なリソースの延長線上にある次期の新市場を確保すること
■ロスを最大限削減すること
この三つにある。
売上を伸ばすことが目的なら、ジャブジャブに経費を使えばよいのだ。
出店を行い、DMを増やし、従業員を増やせばよい。
売上最大化だけを目指し、その先にある姿を描ききれない経営を目指す場合のみ、
データベースマーケティングやデータマイニングは必要が無くなる。
売上を追い求めるスピードがある内に、発生するロスを凌駕してしまうからだ。
しかし、これはエコの経営とは言えない。
ゼロサム社会は誰が勝っても誰が負けても、プラスマイナスゼロだからだ。
しかし、戦いで無益なエネルギーを消費するのだ。
成長を推進している企業ほど、エコに反している企業ともいえる、一つのバロメーターだ。
店頭でどの棚を見ても同じような商品ばかりで、これでは共生できないのだ。
コンビニのMD、百貨店のMD、スーパーのMD。
独自性とは程遠い。つまりストアロイヤリティは醸成されず、限りなく価格戦略に明け暮れるのだ。
そのために消費者が辟易してしまうのだ。
消費をつまらなくし、日本人に給与を払わなく、景気を疲弊させているのは疑いも無く日本を代表する企業群であることに気づかなければならないのでは?
しかし、もう止まらないだろう。潰し合いが終わるまで。
体力が無くなった時点で海外企業に惨敗を喫することになるだろう。