随分、ご無沙汰のマーケティングについての話題。


基本中の基本的なセグメント方法としてのRFMについて話をしてみる。


過去、多くの業種業態、取り扱い商品やMDを経験してきたが、RFMの中のマネタリーは余り有効なセグメントではないと思う。


なぜならば、

フリクエンシーとしての回数の多さが、マネタリーを言い換えているからだ。

回数が多い=累計金額も多い


ということになる。

じゃあ、一回当りの平均マネタリーをセグメントに加えると、

確かに多少の差が出るが、

休眠復活としてのセグメント条件やDMを送付する場合のセグメント条件に余りマネタリーの相関が現れてこないのだ。


米国の消費者クラス階層と日本のような国民皆中流の場合とは基本的に違ってくるのであろう。


デシル分析においても、上位10%の顧客を重視するといっても、例えば引越しなどの需要で家具や家電品、シーツや寝具などを一時に大量に購入すると年間マネタリーは極めて高くなるが、翌年度の購買金額が激しく落ち込むことになる。


マスマーケティングに毛の生えたようなマーケティングレベルで年間予算が余りあるならば、別にそのシンプルセグメントだけでも良いが、

パーミッションの問題などで、オファーが許される顧客は、その登録数は減少し、

余り的外れなDMやe-mailはオファーすると顧客から見た企業のマーケティングレベルと趣味の悪さに疑いを持たれ、ブランディングには逆発想となる。


過去の多くの経験上、マネタリーよりもどのようなジャンルカテゴリーを志向してきたのか?の方が有効なケースが多かったようだ。


つまり、RFI(アイテム)のセグメント方法だ。

最寄品ではなく、買回り品でかつ高級品高額品になれば、マネタリーは有効な指標となりえるのだが、食品や最寄品などはむしろ、カテゴリーをセグメントする方が余程レスポンス率は高い。


マーケティング手法やテクニックは、先ずどういった顧客がどのような目的で自社の商品を利用するのかをプロファイルする際に重要なヒントであって、すべてが正しいとは限らない。


生きたマーケティングを行う意味でも、ノウハウ本、教科書、米国の事例をそのまま鵜呑みにするのではなく、先ず自分なりに仮説を立てて、試行錯誤を行い実践していくことが重要である。


これはMBAを生かすも殺すも、それ以降の自分たちの経験と試行錯誤、それらを生かす知能が高くなければ、現場には適用できないということにも繋がる。


つまり、経験がモノをいう世界である、ということをRFMに見出すのに大よそ5年以上掛かったのではないかと思う。守破離は最低5年掛かるかも・・。