面白いDMが机の引き出しから出てきた。
「通販年鑑」の購入申込ハガキ付きDMだ。
毎年、これは購入している。あれば便利だからだ。
しかし、このDMの裏表紙(表4)がいただけない。
通販大手三社のWEB関連のコメントがキャッチの訴求として出でている。
特に先日、フジテレビ関連企業に買収され、昔は大手であった香川県にある通販企業の代表がコメントしているキャッチだ。それは、
「“楽しさ”が提供できる限り、カタログは生き残る」
とキャッチに掲載している。
実は、香川県にあるこの通販企業のカタログが,
日本全国数あるカタログ会社の中で“面白くないカタログ”の5本の指に入ると思う。
まあ、といっても顧客がいるわけだから、それは中々だけど・・・。
購入理由は安さだからねえ。
・シズル感がなく、巻頭ページから一本調子で変化が無い。
・取ってつけたみたいなシーンが突然出てくる。
・意味の無い付箋ライクな制作テクニックを散りばめすぎ
・モデルもずっと一緒で時代反映性無し
・未だにオッジのモデルを起用している
・実際、シーンにパーセプションが無く、ただただ “安いだろ!商品を買え!買え!”と紙面が語りかけてくる
・買って使用したときの顧客ベネフィットは表現されていない。
・MDは5年来、同じものの焼き直し
等など。
しかし、通販カタログは、“楽しさ”が提供できているだけでは、成り立たないのだ。何故ならば、開いてもらって中を見て、編集が面白い、であるとかビジュアルが綺麗だけでカタログを閉じてしまうとビジネスにならない。
雑誌編集社が通販カタログを制作すると失敗する典型的事例だ。
カタログは印刷費などよりも顧客に届ける送付コストが非常に重石になる。
ただ、面白いだけ、綺麗だけのカタログにお金を掛けて送っても、購入してもらえない企業は最終的には潰れてしまうのだ。
楽しさを提供するカタログだけでは、通販企業は成り立たないのだ
しかし、香川県にあるこの通販企業の売上は年々下降している。
それは、言っている“楽しさ”が顧客に提供できていないからであろう。
つまりこのキャッチが言っていることは、
“楽しくない”カタログを作っている張本人が、
ビジネスが成り立たないカタログ作りをすればWEBに負けないと言っているのか?
何と言う素人発言キャッチで、紺屋の白袴なのだろうか。
このキャッチのおかげで、私は今年度版の「通販年鑑」を買う気が失せてしまった。