CRMの定義は何か?
CRMは、システムや企業行動を含め、多くの階層や領域で語られている。
しかし、単純に“CRM”って、何?と聞かれるとこれがまた、ひと言で答えられないケースが多い。
私が過去にSPSS社のユーザー事例で講演を行った際に用いた定義を参考のために紹介しようと思う。
まあ、色々権威のある方が定義したことから、挙げると
■国内シンクタンク
自社にとってより多くの有形無形の利益を持たらしめる顧客を
・認識し、見極め
・その顧客の欲する商品、サービスをさらに提供し、企業の売上利益に繋げるための企業と顧客の長期的関係を築く顧客満足の仕組み
何となく営利的で、ビジネスライクな定義だ!
■米国CRMアプリケーションベンダー
企業のあらゆる活動において
・潜在顧客、既存顧客、ビジネスパートナーとの関係を管理するための、
・包括的なプロセス技術である
なんとも、現場的な階層で語っている
■米国BIシステム会社
・利用する情報は、顧客の視点に立った、顧客の体験に焦点を当てたもので無ければならない。
・IT業界人は構造や制御と言ったことばかりを考え、人間としての存在を忘れてしまっている。
これはシステム会社のお偉いさんのお言葉だから、アンチテーゼが込められている。
■また、マーケティング学者は、
・システムが重要なのではなく、“どのように顧客を管理するのか”戦略コンセプトが重要
・人間が行い、人間が方針化し実施する作業であり、それにより適切な収益を得ること
と定義し、さらに
・企業の構造、ニーズ、ポジションにより様々な構造や形態があり、CRMとして当該企業が何をやらなければ成らないのか?等の自社独特の理念が必要と考える。
と、言う定義で語られている。
これらの中に語られている共通キーワードを集めると、
①企業にとって利益をもたらしてくれる
⇒利益の定義、過去の実績の明確化
②顧客を識別し
⇒顧客を識別するためのルールやパラメータ
③長期にわたって
⇒長期間の時系列データ
④顧客との関係性を強化
⇒顧客との接触明細データ、オファーデータ
⑤最終的に利益をもたらす
⇒効果測定
⑥企業の戦略的活動
⇒事業計画化レベルとリンクすること
となり、狭義の販促、宣伝、SP、WEBサイトなどの手法はそれらを支えるごく一部であることと、理解している。つまり、
CRMについて企業トップの理解が無い場合、成功はしない。
と、本当に常々感じている。